二つの海[詩作]
青い巨大な空には、たった一つの太陽が、力強く輝いていて
黒い大地には、ちっぽけな僕ら二人が、ポツンポツン、落ちている
二つの海で育った二人が、お互いの海を交えられる喜びを
僕らの海は、どちらも冷たく、汚れていた
ただ潮の導きによって、出会っただけの偶然が
ふれあい、語り合い
温かさを身に宿した、その奇跡に
僕ら二人は、泣き合った
幾つもの雫が、とけ込んでいった
指先の無い僕らは、お互いの体を抱きしめられなかった
ただ、身を寄せ合い、撫で合い
唇の温かさが、凍える喉をとかしてくれる
この心地良さは、決して幻ではない
僕は、生きていて、あなたも、生きている
輪廻する世界で
空よ!
限り無く大きくあれ
大地よ!
いつまでも温かくあれ
僕らの海は、決して涸れやしない
終わり無い、地平線への旅が続く