表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

真っ白

 「そこ」は、果てしなく白かった。


 目の前に広がる真っ白な空間。

 黒い柵に囲まれた「そこ」はまるで、まだ足跡がつけられていない雪原のようだ。

 あまりに真っ白なものだから、汚してみたいという衝動が沸々と沸き起こってきた。

 だが、どう汚せばいいかわからないまま、いたずらに時が過ぎていく。

 結局、汚すことは出来なかった。

 だから今も「そこ」は真っ白なままだ。

 真っ白な「そこ」は、ただ静寂に支配されている。


 カチ、カチ、カチ……


 どこからか聞こえてくる、時を刻む針の音。


 そろそろ、戻らなくてはいけない。


 この汚れ一つ無い世界から、汚れきった現実の世界へ――








「試験終了です」


読んで下さり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ