支配される者たちへの賛歌
子供たちに見せる顔が見つからない
それは私が生きている間に現実があまりに変わりすぎてしまったから
ただでさえ君らしく生きればいいといえるほど自分を殺さないでいられたわけじゃない
ただでさえ今を生きようといえるほど石橋を叩かずに渡ったわけでもいつもいつでものらりくらりできたわけない
そして子供たちに私がアドバイスなどできないくらい今は昔よりしがらみや罠が多く自由を奪われやすい
自由を奪われた人間は奴隷の様に扱われ見くびられ侮られる
しかし一方で、他人の自由を奪い続ける人間は奪われた人間と同じように自分自身を拘束していく
叶えられない自己愛が妄想を生みそれが自分自身の脳を侵食し蝕んでいく
結局人に支配されるか、自分自身の妄想に支配されるかの二つに一つしかない
一つ前の世代であれば自由を取り返せた人も
今や支配下に置かんとする人がわんさかいるこの時代
彼らが別の方向を向いて走り始めたのを尻目に自由を奪い返すことになんの価値があるのだろうか
妄想が妄想として成立するには、妄想でしかないということと、そのことに彼らが気が付いていないという条件が要る
しかし精神の崩壊は、偽り続けた自分のなれの果てでしかない
それでも、自分の精神が自分だけのものじゃないとするならば、その人たちの間に嘘は通用しない