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大連キャンプ情報その2

2月10日 新フォーム上出来 棚橋快音連発


 すり足打法で3割到達だ!大連の棚橋和隆内野手(24)がフリーバッティングで快音を連発した。昨年の東洋一を支えた若武者の成長は止まらない。


 棚橋は潘打撃コーチの助言もあり今季、それまでのやや足を上げるフォームから左足をすり足気味に動かす新フォームに変更。5日のフリーバッティングではまだ感覚がつかめておらず凡打の山を築いてしまったが、今日は石風呂投手を相手に鋭い当たりを連発。右に左にライナー性の打球を飛ばし、安打性の当たりは7本と見事に修正してきた。


 潘打撃コーチは「棚橋は大分感覚をつかめてきたね」と評価。しかし「まだ目線がずれてる。完全に自分のものにしていない」と合格点はあげなかった。この辛口採点も棚橋に対する期待ゆえのもの。「昨年の成績で満足してもらっては困る。むしろ最低限のラインがあのくらい」と劉監督が語るように、彼の潜在能力はこんなものではない。


 昨年は3番ショートに定着して145試合で打率.293に16本塁打79打点とブレイクを果たしたが、本人は「終盤に(成績を)上げただけで打率ほど打っていない」と至って冷静。「フォームがだんだん窮屈じゃなくなってきた。明日の紅白戦でどれだけできるかが大事になってくる」と進化の手ごたえを口にした。




2月11日 今季初の紅白戦 劉監督サバイバル突入宣言


 大連は11日、沖縄春季キャンプで今季初となる紅白戦を行った。吉野や林といった実績組は参加せず若手中心のオーダー。先発は紅組が松浦心投手(19)白組が赤坂忠徳投手(23)という先発ローテーションを狙う若手同士で、ともに2回を無失点に抑えた。


 野手で目を引いたのは岩下菜央人外野手(22)で、1打席目は赤坂からセンター前、2打席目はドラフト5位ルーキー金海泰州投手(25)からタイムリーヒットとなるレフト前を放つ活躍。潘打撃コーチは「岩下は打球に力強さが出てきた。今年は(一軍で)出番が増えそう」と成長に目を細めた。また、打撃フォームを改造した棚橋和隆内野手(24)は王貞成投手(21)からレフト前ヒットを放った。


 ルーキーは金海が1回を被安打2の1失点、星野風太郎投手(20)は1回を三者凡退の無失点だった。また、周海健捕手(22)は打撃では無安打だったものの、水内の盗塁を刺すなど守備能力の高さを見せた。劉監督は「これからは誰が一軍で使えるかを見極める時期に入る。その中でよく気合の入ったプレーを見せた選手もいて、そういう選手はなかなかのものだった」と総括し、生き残り合戦の開始を宣言した。




2月12日 気になる男 存在感増す呉清元


 台南からトレードで今季大連に加入した呉清元外野手(33)の存在感が増してきている。サングラスにヒゲという強面は絶大なインパクトを放つが、グラウンド内でもオーラは抜群。勝負強さに定評があるこの男が大連の攻撃をさらに活性化させる。


 今日の紅白戦では5番レフトで出場。第2打席には大連のセットアッパー小松原から左中間フェンス直撃の2ベースヒットを放った。「打ったのはストレート。バットを振り切れたので(フェンスまで)飛んだ。だんだん気持ちがバトルモードになりつつある」と本人が語るように、スイングは日に日に鋭くなっている。キャンプを取材中の元大連監督飯島昇一氏は「打席でオーラがある。相手にとって本当に怖いのはこういう選手」と評価した。


 15年所属した台南を離れて初めてのシーズンだが「大連は勢いのある選手が多くて自分もフレッシュな気持ちでやれている」と新しい環境は気に入っている様子。「調整のペースは例年より早い。移籍1年目はファーストインパクトが大事なので、まずはファンに認められたい」といかつい顔を一層引き締めた。




2月13日 大上ベロス森茂 熱を帯びる二塁手争い


 本日はキャンプインしてから2回目となる休日となる大連。ここまでの日程を消化した時点でもっとも熱く燃えているのが去年終盤に実績を残した俊足の大上徳博(24)、パワフルさなら一番のアート・ベロス(32)、堅実な守備で計算できる森茂常弘(32)の3人がしのぎを削るセカンド争いだ。


 大上は今オフ、筋力アップに努めた。紅白戦2試合では6打席で無安打だったが「これまでより鋭い打球を打てるようになった」と手ごたえを実感している。俊足と内外野を守る器用な守備は健在で、今季も大きな武器となるだろう。


 新外国人ベロスはフリーバッティングで快音連発させた。守備は「体格のせいか守備範囲は普通だがその中では巧み」と小早敷守備走塁コーチが語るように堅実。アメリカとは攻め方が違う投手陣を相手にどれだけ対応できるかが鍵。


 昨年は打率1割台と低迷した森茂は「今年が最後のチャンス」と悲壮感をにじませる。打撃フォームをすり足打法に変えて紅白戦では4打席で2安打と結果を残した。控えとして終わるかもう一段階上に進めるかは確かに今年が大事になる。


 元大連監督で野球評論家の飯島昇一氏は「大上も森茂も去年よりアグレッシブになっている。ベロスは2人にはないパワーがあり面白い。劉監督もまだ誰を使うか決めかねているのではないか」と語る。昨年までのレギュラーだった近堂がトレードでチームを離れた事で生まれたチャンスを生かすのは誰か。このポジション争いが大連にさらなる活力を与えている。




2月14日 バレンタインデー 選手たちに愛のチョコを


 今日はバレンタインデー。沖縄で春季キャンプを続けている大連ナインにファンからのチョコレートが届いた。球団と地元百貨店が企画しているイベントで、選手にメッセージを添えたチョコレートを贈る事が出来る。また、3月14日には選手からお礼のメッセージがファンのもとに届けられる。


 一番人気は昨年に引き続いて星渡晃兵外野手(24)。「毎年応援してくださりありがとうございます。皆様の期待に応えるために今年も頑張ります」と優等生コメントを発した星渡だが、走塁練習では瑞穂投手の牽制に刺されて小早敷コーチからの説教というビターチョコをもらう羽目に。


 赤坂忠徳投手(23)や松浦心投手(19)は去年の10倍以上に増えており、台頭による人気上昇を証明した。また年上の世代から人気が高い大上徳博内野手(24)や柳中平内野手(30)もトップ10にランクイン。ちなみに劉監督には報道陣から1個とファンから3個の合計4個が贈られた。


トップ10

1 星渡

2 赤坂

3 大上

4 松浦 瑞穂

6 柳中平

7 吉野 林 岩下

10 譚秋雲 清水 棚橋




2月15日 汐風パワーアップ オープン戦開幕投手へ


 大連の汐風有希投手(19)が25日に行われる釜山とのオープン戦に先発起用されることが決まった。昨年、高卒2年目でブレイクを果たした松浦の再来となるか。


 異例の抜擢だ。2年目の汐風は今日の紅白戦で白組の先発として2回を無安打に抑えた。初回先頭打者の星渡を切れ味鋭いスライダーで三振に切って取る堂々たるピッチングに劉監督は「汐風は全てが伸びている。実戦で試してみたいと思わせるものを持っている」と高評価。続けて「釜山戦では先発に出して何がどこまで通用するかを見たい」と、25日の釜山戦に先発で起用すると明言した。


 本人は今日のピッチングについて「今日は風が強かったので変化球を生かすように心がけた」と冷静に分析。開幕投手内定の朗報には「期待されている以上しっかりアピールしないと。今日は2回に無駄な四球があったが、ああいうのをなくしていきたい」とあくまでクールだった。


 昨年の最終戦ではプロ初登板を記録。くしくもその時の球場はオープン戦と同じ沖縄市営球場だった。「プロ初登板の時は緊張して地に足が着いていなかった。今は違うとアピールしたい」と語る2年目の若者が因縁の舞台で先発ローテーションをたぐり寄せる。




2月16日 初の対外試合に投手陣奮闘


 大連は16日、名護市で大田と練習試合を行った。大連の対外試合は今季初めて。


 先発を任された松浦は2回を被安打1の無失点に抑える。最高球速は143キロとこの時期にしては上々で順調な調整ぶりをアピール。「今日は暖かいし体調も良くて、投げていて気持ちよかった」と笑顔を見せた。また、2番手の瑞穂、3番手の草原もそれぞれ2回を無失点だった。


 4番手として登板のルーキー金海泰州(25=PDL電器)は金明賢に2ランホームランを打たれて2回を2失点。「変化球のコントロールが悪かった」と反省しきりだった。最終回は斎場が1回被安打1の無失点に抑えた。


 劉監督は「投手陣はおおむね順調に来ている。これからはもっと(誰を起用するか)僕をいい意味で悩ませてくれるだろうね」と満足げだった。なお試合は宮畑の3ランホームランと太刀川のタイムリーヒットで4対2と大連が勝利した。




2月17日 ローテに暗雲 瑞穂リタイア


 あまりにも痛い離脱だ。大連の瑞穂智幸投手(27)が昨日の練習試合終了後に右ひじの違和感を訴え、精密検査を行うために大連に戻ることが決まった。瑞穂は「大事な時期なのに、悔しいし情けない」と無念の表情で沖縄から引き上げていった。


 瑞穂は京城からトレードで加入した昨年、いきなり開幕投手を任せられた。その試合で見事に勝利投手となり優勝に弾みをつけただけに、連覇を目指すチームにとって大きな誤算となる。




2月18日 呉大連で1号 「ようやくチームの一員に」


 今季から大連に加わった呉清元外野手(33)に待望の一発が出た。本日行われたチチハルとの練習試合で5番レフトに入った呉は、2回にチチハルの先発投手である2年目の寺沼芳之が投じたストレートを引っ張るとライナー性の強い打球がレフトスタンドに吸い込まれる先制のソロホームランを放った。


 第2打席は朴全功からセンター前ヒットを放ち2打数2安打で交代。「(大連では初出場となる対外試合に)やっぱり緊張したけど、いきなり一発出て良かった。これで大連の呉清元になれますかね」とバット同様に口調も軽やかだった。なお試合は大連の3番手王貞成が2回4失点と崩れ、3対5で敗れた。




2月19日 新星現る ルーキー星野100点デビュー


 大連のドラフト3位ルーキー星野風太郎投手(20=ノーザンウインド)が本日行われた京都との練習試合で2番手として登板。2回を投げて4奪三振を含むパーフェクトに抑えた。


 堂々たるピッチングだった。棚田、畠田ら主力打者がそろう京都打線に対しても容赦なく切れ味の鋭いストレートを繰り出した。圧巻は4回で、先頭の棚田と川場をスライダーで三振を奪うと、4番畠田に対しては得意のスクリューボールで空振り三振に切って取った。


 星野は「テレビで見る選手が相手だったので緊張したけど、いい意味で力が入った投球が出来た。制球もまとまっていたしこの調子でもっとアピールしていきたい」と初々しく語った。なお試合は2対2の引き分けだった。

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