物語の進め方その2
5回を終えて4対0で大連リード。大連は後1点必要だが、平壌も2点取る必要がある。例えば6回に平壌の反撃があるとする。相手チームの打撃成績のデータは作らないが、打順は決まっているので「1回と3回と4回は三者凡退で2回はランナー1人、5回はランナー2人出したことにしよう」などと適当に進める。
そして平壌の6回、先頭打者は1番打者の小谷となる。この小谷に例えば「ホームラン」を打たれる。これで1失点。さらに打たれて(誰にとは特に記述しない)ワンナウト一二塁となったところで張は降板。ここまでで5回と1/3なので投手欄にはその数字を入れる。
ここでリリーフは、点差がそこまで大きくない上に回もあまり進んでいないので、例えば野藤でも出しておく。平壌は1番小谷がホームランで、それからアウト1人ランナー2人なので打席には5番の幕内が入る。ここの結果は、例えば幕内は「三振」。続く成田は「サードゴロもパウロが後逸してその間に二塁ランナーがホームイン」。7番鈴木は「レフトフライ」とする。この回、大連は2点取られたが自責点は張が小谷に打たれたホームランのみ。これも記号に残しておく。6回裏の大連の攻撃は投手の打席まで回ってくるので代打を出したものの三者凡退としておく。
6回終了時点におけるデータ。相手は交代があったが投手に関する部分しか見られない。○張尊(5 1/3-1)とは張が5回と1/3を投げて自責点は1で勝ち投手となったことを表している。なお自責点を示す-1は削除されて掲載される。
[ホーム]大連
8星渡(-1)
4大上(-2)
6棚橋(-1)
9林(-2)-1
5パウロ(-)
7アンジェロ(-)-1 53
3柳中平(-1)
2清水(-1)
1張尊(2-0)-野藤-宮畑(1-0) 63
[ビジター]平壌
中略
平 000 002 000 2 ●中山-菅 1勝2敗2分
大 010 030 00- 5 ○張尊(5 1/3-1)-野藤(2/3) 2勝1敗2分
もうほとんどの情報は消化したが、大連は7回か8回に1点を取る必要がある。平壌は残り3回分攻撃できるが、試合結果は5対2と決まっているので1点たりとも取ってはならない。さて、大連がどうやって点を取るかについて、面倒な場合は適当にソロホームランでも打たせればいい。
例えば棚橋あたりにホームランを打たせる。回ってくるのは7回なので必然的に先頭打者の星渡と続く大上はアウト。いや、星渡も大上もヒットを打ってもいいが牽制で刺されるか盗塁失敗するかダブルプレーに倒れるか、そういったヘマをしないといけなくなる。8回はもう三者凡退で。守備に不安のあるパウロやアンジェロは前回打席が回ってきた5回から8回までのどこかで交代していたと設定する。
逆に平壌の攻撃は大連のリリーフ陣で抑え込む必要がある。3回分、とりあえず8回は小松原、9回は比山となるので7回はどうするか。普段は野藤がよく使われるが、今回はすでに出場しているので使えない。例えば伊東あたりを登板させる。もちろん無失点で終わる、というか終わらせないといけない。3点差なので比山はセーブがつく。ホールドは煩雑になるのでカット。
試合終了時のデータ。ここからいくつかの数字を取り除いて投稿する。括弧内は打数と安打。柳までは4打席回ってきたが林は四球があるので4ではなく3打数。途中交代したパウロとアンジェロに関しても、アンジェロは四球があったのでパウロより少なくなっている。相手のリリーフは適当に埋める。セーブがつくので比山の前にSと記号がつく。
[ホーム]大連
8星渡(4-1)
4大上(4-2)
6棚橋(4-2)
9林(3-2)-1
5パウロ(3-0)-ドラグノフ(1-0)
7アンジェロ(2-0)-水内(1-0)
3柳中平(4-1) 84
2清水(3-1)
1張尊(2-0)-野藤-宮畑(1-0)-伊東-小松原-比山
[ビジター]平壌
中略
平 000 002 000 2 ●中山-菅-大河内-森 1勝2敗2分
大 010 030 10- 5 ○張尊(5 1/3-1)-野藤(2/3)-伊東(1)-小松原(1)-S比山(1) 2勝1敗2分
以上、長々と書き連ねてきたが、重要なのは打率と防御率を算出するのに必要な打数、安打、投球回数、自責点をデータとして残すことであった。そう考えると何で自責点を非公開にしてたんだろうと正直後悔しているが、自責点を記載し始めたのが途中からで最初から変えていくのが面倒だからだったというしょうもない理由ゆえなので救えない。現在修正中。
セイバーメトリクス的なデータの算出は実質不可能と思う。「2ベースを放った」とか「8回を被安打4奪三振9四死球1の無失点」みたいに具内的な記述がなされている場合もあるがそれはごく少数。ヒットを打ったとされていてもそれはシングルヒットか2ベースヒットなのか、特に点が入らなかった場合はまるで不明瞭。それに四球と犠打が表現としては-1と同じ扱いなのもデータ算出としては厳しいものがある。
とりあえず、この一連の動作を完遂するには大体1時間ほどかかった。プレーオフの試合はもっと時間がかかっていたが、この辺になると敵も味方も自分の中でキャラクターが固まってきたので割とスイスイ動いた。よってあまり苦痛は感じなくなった。こいつならこうなるだろうといシミュレーションの連続なのだから、やはり一番厳しかったのはオリジナルある球団相手だった。実際の選手をぼこぼこにするのは違うし「まったく敵いません」って姿勢もそれはそれでアレだし。やっぱりオリジナルにすべきだったか。
この文章は後書きとして掲載する予定だったが、予定以上に長ったらしくなったので別枠としたものである。