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#3 クソ

『風俗嬢に、女が好きなんじゃない。

女の体が好きなだけだって言ってやったわ

当然ドン引きしてたけど、別に構わない

#俺Too               』


 俺はSNSにそう投稿してやったんだ。

そしたらいつもより多めにいいね貰えて

嬉しかったね。

 その頃には#俺Too載せて不満やムカついた事を

SNSに投稿する事が趣味みたいになってたね。

そして同時に思ってた。


 しかし、この #俺Too を

最初に投稿したのは誰なんだろうってね。

でもその時はあまり深くは考えてなかったな。


 俺は会社では相変わらず女子社員に

嫌われまくり状態。そしてそんな状況でも、

この生き方の方が人生のコスパいいだろって

思ってた。逆に何でみんなやらないんだろう

とか思ってたんだ。

 そんな事を続けてたらある日、

女上司に呼び出されたんだ。

挿絵(By みてみん)

女上司が怖い顔で俺を見てた。

俺の態度の悪さが問題になったと

すぐにわかったね。女上司は話し始めたんだ。


〈女上司〉

「……最近、貴方の勤務態度が良くないって、

女子社員達からクレームが来てるんだけど、

自分で心当たりはあるの?」


 どうやら女子社員の誰かが上司にチクった

みたいだった。俺は言い返してやったよ。


〈俺〉

「業務の効率化の為に無駄な会話をやめました。

その事ですかね?」

〈女上司〉

「……まあそれもあるけれど、

重い荷物を持ってくれなくなったって

女子社員達が言ってるのよ。

もし自覚があるなら理由を聞かせてくれる?」

〈俺〉

「男女平等の時代なので

女性を対等に扱う事にしました」

〈女上司〉

「ハア?何言ってるの?体が違うんだから

しょうがないでしょ?当たり前でしょ?」

〈俺〉

「だからそういう考えや思い込みを無くすのが

男女平等なんじゃないんですか?

SDGsじゃないですねー」


 周囲から、特に女子社員達から

視線を浴びてるのを肌で感じたね。

でも俺は言いたい事言ってやろうって

思ってたよ。


〈女上司〉

「何言ってるの!?男女平等の社会でも

ある程度は仕方ない部分もあるのよ!

そんな事も区別出来ないの!?」

〈俺〉

「仕方ないの一言で済ませるんなら

女性が受けてる差別も仕方ないで済ませて

いいんですか?」

〈女上司〉

「何言ってるの?男のくせに屁理屈ばっかり!」

〈俺〉

「その発言セクハラですよ。

俺も会社訴えますよ?」

〈女上司〉

「……もういいわ!話を変えるから。

なんで女子社員達を無視するの?

おはようも言わないみたいじゃない。

女子社員みんな貴方を怖がってるのよ」

〈俺〉

「女のセクハラの判断基準が

曖昧で不透明なんで

セクハラって言われない為に

口聞かないようにしてます。

自己防衛してるだけです。

文句があるならセクハラの基準を

明確化やガイドライン化しない政府に

文句言って下さい」

〈女上司〉

「……貴方のやってる事は無視ハラよ!

皆に迷惑かけてるのよ!」

〈俺〉

「喋ったら気まぐれでセクハラになって

喋らなかったら無視ハラなら

それもう女性がおかしいですよね?

女性に注意するべきじゃないですか?」

〈女上司〉

「いい加減にしなさい!!!」


 あの時社内が凍り付いたね。

宝塚女優ばりの迫真の名ゼリフだったよ。


〈俺〉

「こっちの質問には答えないんですか?」

〈女上司〉

「……私の立場なら、

貴方をクビに進言出来るのよ?……

今なら、今までの私への無礼な態度、

忘れてあげるから……

見なかった事にしてあげるから……

だから、クビにされたくなかったら……

今すぐ、女子社員達に……

謝って来なさい」


 『誤って来なさい』

このセリフを聞いた瞬間、

俺の中で何かがマグマのように込み上げて

脳で考えるより先に口が動いたんだ。


〈俺〉

「クソだな……」

〈女上司〉

「…………え?……」

〈俺〉

「なんで俺が謝らないといけないんだ!?

謝らないといけないのはあいつら女だろうが!

こんな会社クソだ!女たちもクソだ!!

上司もクソだな!!

……おい!クビにしたきゃ勝手にしろ!」


 俺は自分のデスクに戻り、

凍り付いた周囲の視線を浴びながら

最低限の私物だけまとめて帰ろうとしてたんだ。

これからどうしよう。

でもこのままここにいるより、

こんな会社やめた方がはるかにマシだ。

そんな事を考えてた。

そして荷物をまとめて帰ろうとした時、

まったく予想もしない事が起こったんだ。


〈男性社員〉

「主任!僕も辞めます!」

〈別の男性社員〉

「俺も辞めます!喋んなくても無視ハラなんて

もうやってられないっすわ!」

〈男性社員達〉

「俺も!」「俺もいいっすか?」「僕も!」


 同僚達がみんな辞めると言い出したんだ。

どうやら同僚達も口に出さないだけで

女子社員の態度やセクハラとかパワハラとかの

窮屈さにムカついてたみたいだ。

クソ上司は途端に手のひら返ししやがった。


〈女上司〉

「ちょ、ちょっとみんな!待ちなさい!

落ち着いて落ち着いて!

ちょっと!貴方も待ちなさい!」


 クソ上司は走って来て帰ろうとしてる

俺の前に立って俺をなだめる様に言ってきた。


〈女上司〉

「わ、分かったわ……無視したくらいで

ハラスメントにするのはやりすぎだから、

私から女子社員達に言っておくから、

それでいいでしょ?」


 クソ上司は俺にそう言うと

同僚達にも言い聞かせた。


〈女上司〉

「みんなもいいわね!?さ、座って!

仕事に戻りましょう!」


 同僚達は気が収まったらしく、

大人しく座って仕事に戻っていったよ。

そしてクソ上司が俺に言ってんだ。


〈女上司〉

「さ、貴方も戻りなさい。ね?」


 俺の気持ちに変わりは無かったんだ。


〈俺〉

「……そこをどけ」


 俺はマジで帰ってやった。

マジで会社クビになっちゃったよ。

でもあのときクソ上司に従って

女子社員達に謝り回るっていう

選択してたら、今どうなってるだろうね。

ちょっと想像つかないな。


 それから数日後、

同僚からLINEが来てさ、

それにはこう書いてあったんだ。


『あの後無視ではハラスメントに

ならないって事になったよ。

それと、お前の態度の悪さを

主任にチクった女子社員な、

お前が辞めた後ショックだか

居づらくなったか知らねえけど

会社辞めたぞ』


つづきも読んでくれたらうれしいな


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