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最終話

おはようございます。最終話のお届けです。凶行に及ぶ涼介。驚愕の最終話!お楽しみに。


 「妻はグラドル」

    最終話


        堀川士朗



深夜のバラエティー番組にあいんが出演する。

涼介は独りでそれを観ている。

あいんは自分の部屋でもう寝ていた。

関西のお笑い芸人に、妻の肉体がギャグにされ、辱しめを受けているように涼介は感じ取った。


やだやだやだやだやだコサミン。

足立区育ちのやだコサミン。

嫉妬嫉妬嫉妬!

SHIT!SHIT!SHIT!

この原因は何なんだ?

愛して禁。

愛され禁。

独り泣く夜はもう嫌だ。



夕暮れ。

涼介は瓶ビールを飲んでいた。

篠咲あいんは光沢のかかった黒のマイクロビキニ姿に着替えていた。

それを見た瞬間、涼介は劣情を催したのと同時に、冷たい得体の知れない嫌悪感に包まれた。


「じゃーん!黒のマイクロビキニ!かわいいでしょ?明日の曙橋のスタジオ撮影会で着るんだ~」


涼介の、『何か』がヴツ~ンッと音を立てて切れた……。

そのベースの弦が鈍く切れるような音は、あいんにも聴こえて彼女は短い悲鳴を上げた。


「ちっともかわいくねえよ!何だよそれ?あ?グラビアアイドルなんか所詮水着着てカラダくねらせてるだけのソフトポルノじゃないか!お前らグラドルなんかただの変態の露出狂じゃないか!あいん。お願いだからもうこんなイヤらしい仕事は辞めてくれよ!」

「やだよ。辞めない。あたしが活き活きと一生懸命に活きる仕事だから、だからこの仕事は辞めない!」


あいんはどこかに電話しようとしていた。警察か。

涼介はあいんのスマホを引ったくった。


「だいたいこんなもんがあるからいけないんだ。地に返す」


涼介は力任せにあいんのスマホを捻った。

メキメキと音を立ててスマホは破壊されていく。


「ちょっと!何やってんだよ!違うよ出前会館頼もうとしただけ!」

「あーもう!だったら撮影前に猿の脳ミソのシャーベットでも食ってけ馬鹿おんな!痩せるだろうからよおっ!」

「別れる!こんなにも理解の足りない夫だとは思わなかった!別れる!こんなはずじゃなかった!こんなはずじゃなかったのに!」

「僕だって、僕だってこんなはずじゃなかったのにー!」


涼介はあいんの顔面を数回殴った。

くっきりと痣が出来てしまう。

痣は腫れ上がっていて、あいんはその感触を指で確かめた。


「い、痛い。痛いよ……ひどい。こんなじゃ明日の撮影会出られないよ。ひどいよ。ひどいよー!涼介の馬鹿野郎この野郎~!」

「うるせえっ!」


涼介はビール瓶をあいんの頭に思いきり振り下ろした。

何度も。

何度も。

これ以上なく、激しく強い、愛の殺意を籠めて。



◆◆◆◆◆◆※※※※※◆◆◆◆◆◆



朝。

僕たちの住むマンションに朝の光が訪れる。


「お仕事行ってきまーす」


僕が元気よく声をかけても、黒のマイクロビキニを着て椅子に座ったままの妻あいんは無言だ。

せっかく作った食事も手をつけていない。

仕方ない。

五日前あんな事があったんだからな。

でも、これで、ジェラシーックパーク問題にもケリがついた。

もう妻のカラダをカメラを通して凌辱させはしない。

もう永遠に僕だけのものだ。


抜群な妻あいんの肢体。

頭蓋骨は陥没しちゃってるけどね。

B93W60H90の最高級のカラダには、無数の大きな蝿がたかっている。

腐ったバナナの臭いがする。

あいんは微動だにしない。

そうだよ。

もう動かなくて良いんだ。


「ねえ。今度映画を観に行こう。恋愛映画」

「うん。行こう」


そう。僕は、妻の死体と一緒に暮らしている。



         THE END


      (2023年9月執筆)



最後までご覧頂きありがとうございました。悲しいラストだったので、あいんちゃんに申し訳ないです。また少しお休みを頂いて、新作をアップ致しますので宜しくお願い致します。

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