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第05話 魔法の上達方法

アイリスによると、アストリア学園はアストリア国の中心地にある王立学園で、通称「王立学園」とも呼ばれている。入学は10歳以上が条件で、難しい実技や学科の試験を突破した者のみが許可されるが、特に優れた実力者は推薦で入学が認められることもあるそうだ。


学園は一流の設備と優れた教師陣を揃えており、剣術や魔法に秀でた生徒が国中から集まる。入学するだけでも高い評価を得られ、卒業すれば名誉や地位が保証されるとされる。


学園の特徴の一つに「エリートスコア制度」がある。試験や実技、課外活動で成果を上げると評価が加算され、逆に目標未達やルール違反があれば減点される。このエリートスコアが生徒の実力を示す基準となり、図書館や訓練場の利用、さらにはクラス昇格にも影響を与える。


「つまり、課題とか頑張って実力を認められればいいわけね。入学する前までに今からやっておいた方がいいことってあるの?」


メイがアイリスに視線を向ける


「そうだな...学園では実技試験や、魔物討伐等の課外活動があってだなそれが結構スコアを稼ぎやすい。だから今のうちにやるなら、正直礼儀作法はなんの役にも立たないから、それをやっている暇があるなら剣術と魔法を学んでおいたほうが有利かもな」


メイは「そうなのね...」といいながら腕を組み左上の虚空を見つめる。入学試験までに出来る努力はやっておこうと色々考えてるのかもしれない


それにしても、礼儀作法やっぱ不必要なんじゃ...

家に帰ったらセバスに礼儀作法の時間を魔法と剣術に回してくれないか説得してみようかな


「そうそう!魔法で思い出したけど、みんな聞いてよ」


メイが鞄からメモを取り出してテーブルの上に並べる


(ん?なんかめっちゃ見覚えあるメモが出てきたぞ)


「これこの前リリアちゃんから貰ったメモなんだけど、この通りに魔法を練習してみたら私でも魔法使えるようになったのよ!ほらみて!」


そう言ってメイは指先に意識を集中させたと思うと「ポッ!」と火を灯した、しかも無詠唱でだ


「「え!?」」


アイリスとノエラが衝撃的なものを見るかのように目を丸くする


「ちょっとまって、今詠唱なしで魔法だしたよね!?どうやったの?それにメイって魔法使えたっけ!?ちょっとそのメモ見せて!」


ノエラは驚きを隠せないようで、メイがテーブルに並べた私のメモを血眼になって読み始める。そういえばセバスがノエラのヴァイス家は魔法について詳しいって言ってたっけ。



「そ、そんな...私の知っている魔法の常識とは全然違うわ...!」


「なんだと?あたしにも見せてみろ」


ノエラの反応をみてアイリスもメモに目を通す


このメモには私がこの2年間で魔法について、前世のシステムエンジニアとゲームで得た知識を活かし、色々検証したことが書いてある。



- 【魔法発動の基本】

魔法を使うには、まず魔法現象の仕組みと「魔力循環」の技術が必要。魔力循環がうまくできるほど、発動速度が速くなり、制御も上達。また、魔力量や魔力回復の速度も向上する。


-【詠唱と魔力】

詠唱はゆっくり唱えるほど魔力が込めやすく強力になり、速く唱えれば威力は落ちるが時間が短縮できる。また、詠唱自体は省略可能だが、威力と制御が難しくなり、魔力消費も増える。


-【反復練習と無詠唱】

魔法を繰り返し練習し、100回、1000回、1万回と訓練を重ね、無意識に扱えるようになると、詠唱なしでも魔法を発動できるようになる。練習を重ねるほど発動速度も向上する。


-【上達のコツ】

24時間、常に魔力循環を維持し、無意識に魔法が使えるまで繰り返すことが効率的な上達の近道。

魔力は使えば使うほど総量が増える。そのため1日足りとも無駄にしてはいけない。



ちなみに、ここで言う魔力循環とは体内の魔力を血液のように全身に循環させることだ。これを高速でやればやる程魔法の威力や速度もあがり魔力総量も増える。これが一番大事


「詠唱って短縮できるの...しかも無詠唱ってA級以上の宮廷魔法師レベルしかできないはずじゃ...それにこの魔力循環って...?ああ!もう聞きたいことが多すぎてもう意味わかんない!」


さっきまで大人しかったノエラが魔法の話題になった途端、急に饒舌になる。一部のオタク界隈でもよくあるあの現象にそっくりだ。


「ノエラ落ち着いて、1つずつリリアちゃんが説明してくれるから。ね?リリアちゃんいいよね?」


メイが私の方に向かって視線を送ってくる


「う、うん。その前に魔法の一般的な常識を教えて?」


私の知識は家にある本と、母マリアンヌの教え、自分が行った検証結果のみだ。自分の知識が間違っている可能性もあるし説明するにしても、この世界の常識と何が違っているのか確認しておきたい。


「まず、魔法の詠唱短縮は何十年も厳しい鍛錬をつまないと無理よ。仮にできたとしても制御が難しいから実践に向かない」


(たしかに、詠唱しないと魔力消費も激しく威力も格段に落ちるから、普通の人はやらんよな)


「次に詠唱の速度はいかに早口で唱えられるかどうかのみに依存する」


(無詠唱の場合、詠唱が不要だから純粋に魔力循環のスピード依存になるんだよな..)


「最後に、魔力総量は年齢の増加と魔法の鍛錬の量によって変わると一般的に考えられているわ」


(これは、間違ってないと思う。けど魔法を使用せずに魔力循環のみで魔法総量が増えるかの検証をしたことがあったけど...その結果魔力循環のみでも増えていたな)


「説明してくれてありがとう。じゃあ自分の知ってることについて説明していくね」


「まだ検証段階だから間違ってるかもしれないけど」と前置きしてから今わかっている範囲で説明した。





「これは...全く新しい魔法理論の可能性があるぞ。ひょっとすると魔法の常識に革命が起きるかもしれない」


アイリスが真剣な眼差しでこちらを見つめながら続ける


「リリア、これ一度論文形式にまとめれるか?王立学園の魔法教師にみせたらもしかしたら推薦を貰えるかもしれん」


「えっ!本当!リリアちゃんすぐ書きなさい!書き方はみんなで考えましょう」


メイが自分のことのように喜びながら目を輝かせる


「でも推薦だと、お姉さまと離れ離れ...?」


リーネが俯き、顔を曇らせる


「心配ないさ。推薦してもらうにしても、双子一緒を条件にお願いしてみよう」



こうして私の魔法理論を論文形式にまとめ、アイリス経由で王立学園に提出することになった。


それがきっかけで私達双子の運命が大きく変わることになるとは知らずに...


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