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さて、定期業務的な活動は完了だな。一応、西東の様子も確認しておくか。



「【ロックオン】、27番。【ステータス】。」



『西東大地

HP   0/342

MP 105/289

SP   0/301

状態異常:呪い(囚われの森)

スキル:時間加速』



「なっ!」



思わず声に出てしまった。HPとSPが0だよ。何時からだ!?もう死ぬ直前か!?

取りあえず転移、いや、先に武器だ!!



「雪さん!!【解体用ナイフ】を貸して!!」


「!?分かった。【解体用ナイフ】。はい。持って行って。」



雪さんから【解体用ナイフ】を受け取った。よし、転移だ!!



「【トランスポート】、27番!」




視界が一瞬で切り替わる。

森の中。巨大な蜘蛛の巣。そして、白い糸で体の動きを封じられた西東と、西東の腕を食う巨大蜘蛛。


間違いない。この巨大蜘蛛にやられたんだな。



「【マーキング】、100番。」

「【ロックオン】、100番。」

「【自滅スキル発動】。」



とりあえず巨大蜘蛛に【自滅】を使ったが、巨大蜘蛛はまだ動いている。不用意に近づくと危ないな。巨大蜘蛛の動きと蜘蛛の巣にも気をつけながら近付き、巨大蜘蛛を【解体用ナイフ】で切り割く。先ず足を切り落とし、続いて腹と頭の境目を切り離す。

虫の生命力は恐ろしい。まだ動いている。だが後は放っておけば死ぬだろう。それよりも今は西東だ。


白い糸で体の動きを封じられ、片腕が食いちぎられた西東はすでに意識を失っていた。

俺が来た時には巨大蜘蛛は西東の本体を食わずにちぎれた腕を食っていたためまだ生きていそうだが、本体を食われていたらもう死んでいたことだろう。だが状況は悪い。腕から大量の血が流れ出てしまっている。俺は治療のスキルは持っていないので拠点に連れ帰る必要がある。西東の体をとりあえずそのまま抱えてみる。何とか持てそうだ。



「【トランスポート】、80番。」



視界が変わり拠点に戻った。



「大和!!大丈夫か!?」



雪さんが直ぐに駆け寄ってくれた。俺の急いだ様子に何かあったと察して待機してくれていたのだろう。



「西東が蜘蛛のモンスターにやられた!!腕が食いちぎられている!!治療出来る人いる!?」


「治療!?水上呼んでくる!!」



雪さんが応えると奥へと走っていく。

水上さんか。スキルは【回復魔法】ということだったが、今は熱を出していた。大丈夫だろうか。

西東。せっかく助けたんだ。死ぬなよ。


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