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午後からも引き続き探索を続ける。

今日は北へ北へと進んでいくことにしている。特に意味は無いが、とにかく距離を稼いでマップで地形を見ておきたいのだ。マップは自身から5kmの範囲が表示可能だが、【マーキング】と【ロックオン】で対象を変えることにより、マーキング対象を中心としたマップを表示することもできる。4km間隔くらいで【マーキング】しておけば広域地図を見ることも可能だ。だがまだ拠点からマップ表示範囲の半分しか進んでいない。もう少し北まで行ってマーキングしておきたいところだ。


探索の邪魔をするのがモンスター。新たなモンスターと遭遇した。



「大和。逃げよう。あれは危険。」


「象だね。でもやたらと牙が大きいし、モンスターなのかな。まだ気付かれてないし、取りあえず【自滅】を使ってみるよ。」


「止めておくべき。あれはHPゼロでも殺せない。」


「駄目そうなら転移で逃げればいいから。やるだけやってみよう。」

「【マーキング】、10番。」

「【ロックオン】、10番。」

「あっと、そうそう、いつもステータスを見忘れるんだよね。」

「【ステータス】。」



『サーベルゾウ

 HP:10017/10017

 MP:251/251

 SP:895/1110

 状態異常:-

 スキル:ファングブレード』



「おぉ!スキル持ってるよ。名前からするとあの牙で攻撃するスキルかな。これは迂闊には近付けないね。あ、やばい。気付かれた。」



こちらに気付いたサーベルゾウがこちらに向かって走り出した。



「【ロックオン】、10番。」

「【自滅スキル発動】。」



「オォーン。」叫び声をあげながら象が膝から崩れる。



「よし。あれを召喚してよ。倒せるか試してくるね。」



真中さんにスキルの使用をお願いする。

真中さんは【食物鑑定】と【転移対象拡大】を取得して残ったボーナスポイントを使ってもう一つスキルを取得している。



「分かった。【解体用ナイフ召喚】。はい。大和に任せた。」



====================

スキル名:解体用ナイフ召喚

発動条件:スキル名を発声する。

発動対象:自身。

スキル効果:自身の手の中に解体用ナイフを召喚する。

      解体用ナイフはHPが残存している対象には傷一つ

      付けられず、HPも減らない。

      解体用ナイフはHPがゼロの対象に対して切れ味が

      増し、解体を補助する。

      召喚持続時間:1時間。

消費リソース:MP(30ポイント/1個)。

消費ボーナスポイント:30

====================




名前に「解体用」と付けて戦闘向けでは無いことをアピールすることでボーナスポイントを下げようという魂胆なのだが、実際にはHPをゼロにした後の止めに使うつもりで取得したスキルだ。


渡されたのはナイフと言うには大き目の刃渡り50cm位ある片刃のショートソードだ。形状は恐らく、真中さんのイメージが反映されている。ゾウの表皮は固そうだが、どれくらいの切れ味なのか試してみよう。

膝をつくゾウに駆け寄って片手で持ったナイフを象型モンスターの首に切り付ける。

うぉお!スッと切れたぞ!凄い切れ味だ!



「死んだかな?」



象に近付いてみるが動かない。ナイフで突いてみても動かない。どうやら死んだようだ。



「真中さん。倒したよ。」


「見てた。あの巨体に襲い掛かる大和、クレイジー。」


「あっさり倒せたんだから、何も問題無いでしょう。」


「問題はある。これはどうやって持って帰るのか。」


「食べられるのかな?」


「ん。【食物鑑定】。皮は固くて食べられない。鼻も。足の肉は加熱すれば食べられる。」


「部位限定なんだね。それじゃあ大変そうだけど解体して持って帰ればいいでしょう。牙は何かに使えるかもね。足と牙だけ持って帰ろう。」


「大和が解体する。私は見守る。」



解体は俺の仕事か。仕方ない。でも【解体用ナイフ】があるから楽だもんね。


と思ったのだが、解体は大変だった。

幾ら切れ味が良くても象の巨体を切り刻むのは重労働だった。モンスターの牙2本と足4本を切り分けた所で日が暮れた。

ちなみに真中さんは俺が解体中に周囲を探索して美味しい野草を見つけてくれた。見た目はチンゲン菜だが味はキャベツだそうだ。


近くの木を【マーキング】して、転移で拠点とここを行き来して象の足も持ち帰った。見た目はチンゲン菜だが味はキャベツの野草の群生地は今後も利用したいので【マーキング】はそのままにしておこう。

ちなみに今日の夕飯は象の足肉のステーキに決まった。腹が満たせるなら頑張った甲斐があったというものだ。


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