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スキルを取得したので多分モンスターに遭遇しても大丈夫。そう思うと心のゆとりが生まれてくる。

ゆとりが生まれたことで考え始める。俺はこの世界で何をしたいか。何をするべきか。


勇者として召喚されて魔王を倒せと言われたなら、それを目標にしたかもしれない。だがそんなことは無かった。

元の世界に帰れるなら帰りたい。だがそれは無理だろうと思っている。【元の世界に帰れるスキル】は取得できなかった。

チュートリアルによればこの世界にも人間が居て街があるらしい。だが別に知り合いがいるわけでも無いので目的にするほど行きたいところでもない。

うーん。何をしよう。


転移した時の状況からして、クラスメイトは一緒に転移した可能性がある。

チュートリアル中にも、「森から出られるのは6人まで」という説明があった。俺以外にもこの森に転移させられた人がいることを示唆している言葉だと思う。

クラスメイトは正に知り合いだ。異世界に転移して天涯孤独の中、俺を知る人がいるかもしれないと思うと、大して仲の良くなかったクラスメイトでも会いたいと思えてくる。

そうだな。まずはクラスメイトと合流することを目標としよう。



誰に会いたいかと自問自答。

正直言ってクラスメイトに仲の良い友達はいない。同じ高校に通って3年目なのでみんな知り合いではあるが、俺は部活の仲間と一緒にいることが多かった。残念ながら同じクラスに同じ部活の友達はおらず、まだ5月だったのでクラスメイトとの仲はあまり深まっていない。

こんな状況に陥ってから気付いても遅いが、もっとみんなと仲良くするべきだったよな。


仲良い奴がいないからと言って会いたい人がいないということも無い。

仲良くはないが会いたい人。女子だな。可愛い女子には会いたい。この人じゃ無ければ駄目だというほど好きになった人はいないが、可愛いなぁ、付き合えないかなぁ、位に思っていた人はいる。



「よし!どうせ合流するなら可愛い女子だ!」



意味なく声に出してみたが、正直、その考えはどうなの?と自分でも思ってしまう。

でも声に出したことでその方向で動こうという意思は固まった。声を出したのは言わば宣誓だ。



合流に必要なスキルを取得しよう。



====================

スキル名:ノミネーションファイブ

発動条件:①「ノミネーション」と発声後、人名を発声する。

     ②「ノミネーションファイブ登録」と発声する。

発動対象:①指定した人名の転移者

     ②このスキルに登録された者

スキル効果:①このスキルに対象を登録する。登録は5人までで以降は無効。

      ②本スキル所持者がマーキングスキルを所持している場合、

       マーキングスキルの1~5番に対象を登録する。

消費リソース:①MP(1ポイント/1回)。

       ②MP(1ポイント/1回)。

消費ボーナスポイント:5

====================




これで5人までは実際に会わなくても【マーキング】できる。6人にすると消費ポイントが倍になるのでとりあえずこれで。


【マーキング】したとしてどうやって会うかだが、これもスキルで解決する。



====================

スキル名:小石転送

発動条件:手の平を広げて「トランスポート」と発声後、番号を発声する。

    (このスキルはマーキングのスキルを所持しており、

     指定した番号に対象が記憶されている場合のみ有効。)

発動対象:自身。

スキル効果:対象の手の平の上に直径5mmの球体状の小石が精製され、

      【マーキング】の指定番号に登録された人・物の付近3m圏内の

      空気で満たされた空間に転移する。

      転移先が空気以外の物質で満たされている場合は発動しない。

消費リソース:MP(5ポイント/1回)。

消費ボーナスポイント:5

====================



まずはこのスキルで【マーキング】対象の付近に小石を転移できるようにする。



====================

スキル名:転移巻き込まれ体質

発動条件:常時発動。

発動対象:自身。

スキル効果:自身の付近5m圏内で転移が発生すると自身(及びその所持品)

      も巻き込まれて一緒に転移してしまう。

      転移先は起点となった転移物の転移先付近5m圏内の安全な場所

      (空気で満たされた空間で、地や床に足が着く位置)となる。

      安全な場所が無い場合は巻き込まれずに済む。

消費リソース:なし。

消費ボーナスポイント:1

====================



続いて俺が、その転移に巻き込まれる体質になる。これで自在に転移が可能なはず。普通に転移スキルなんて取得しようと思ったら消費ボーナスポイントは100ポイントになってしまうが、この組合せなら6ポイントで済む。一つ目のスキルは転移する物を意味のない物にすることでスキルの価値を下げていて、二つ目のスキルでは無差別に巻き込まれるデメリットスキルとすることで価値を下げている。実際に予期せぬ転移が発生した場合に巻き込まれるというデメリットもあるが、それについては仕方ない。


もう一つついでに【ステータス】のスキルも取得した。このスキルも本来は自分の状態を確認することにしか使えないスキルだが、【ロックオン】により対象を入れ替えることで他者のステータスも確認できる。



====================

スキル名:ステータス

発動条件:「ステータスウィンドウ」と発声する。

発動対象:自身。

スキル効果:スキル発動者の手の平にスキル発動者にしか見えない

      情報ウィンドウを開く。持続時間1時間。

      情報ウィンドウに対象のHP、MP、SPが

      (現在値)/(最大値)の形式で表示される。

      また、状態異常、所持スキルがその下に表示される。

消費リソース:MP(1ポイント/1回)。

消費ボーナスポイント:10

====================




「よし。準備完了だ。」



森の中に一人だというのにまた思わず声を出してしまった。自画自賛してしまうくらい頑張ってスキルを考えたので、つい声に出てしまうのも仕方ないこと。

早速使ってみよう。



「【ノミネーション】、佐藤美咲。」



スキル発動のキーワードを発してみた。何も変化を感じないが、成功したと信じよう。続けてスキルを使用する。



「【ノミネーションファイブ登録】。」

「【ロックオン】、1番。」

「【ステータス】。」


『佐藤美咲

 HP 295/295

 MP 332/332

 SP 248/248

 状態異常:-

 スキル:-』



よし!成功だ。


佐藤美咲さん。学園一可愛いとかではないが、クラスの中では確実に人気のある方だと思う。明るくて、誰にも気さくに話しかけることができて、人に優しい人だと思う。俺も佐藤さんに好意を持っている。


ステータスによれば佐藤さんはまだスキルを取っていないようだな。俺の【スキルポイント計算】が活躍できそうだ。早速合流しよう。


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