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飯田さんの後ろからソフィアさん、甘野さんと橋基君も入ってきてみんなで食事となった。
転移してから初となる本格的に調理された料理だ。見た目はロールキャベツ。美味しそうだ。料理してくれた飯田さんが解説してくれる。
「昨日の解体した猪型モンスターの解体時の端肉を集めてミンチにして、細かく刻んだキノコを混ぜました。繋ぎが無いので葉物野菜で包んで煮てみました。」
「美味しそうだね。この木製の皿と箸は甘野さん達が作ってくれたのかな?」
「そうよ。橋基君に木を切り倒させて作ったんだけど、成形したのはゴブ吉なの。橋基君は不器用で切り出しにしか役に立たなかったわ。」
橋基君を甘野さんは蔑んだ目で見ている。切り出しだけでもしたのなら十分な成果だと思うけどね。
「そのゴブ吉はどうしてるの?」
「今は外で見張りをさせてるわ。モンスターは食事が要らないみたいだから。」
内臓が無いからね。モンスターが人を襲うのは食事としてではなくて、そういう本能が備わっているのかもしれないな。人を見たら襲うという役割、もしくはプログラムとも言えるかもしれない。
「大和。また何か変なことを考えている。」
真中さんに指摘されてしまった。
「ごめんごめん。今は食事だよね。いただきます!うん!美味しい!飯田さんは料理上手だね。初めて見るような食材でこんなに美味しくできるなんて凄いよ。」
「【創造スキル調味料】で調味料が作れたので、味付けは調味料の力ですよ。もっと素材の味を活かした物でしたら私の腕かもしれませんが、これは調味料の力に頼っただけで、誰でも同じ味が出せます。」
「いやいやいや、料理は同じ調味料を使えば誰でもできるって物じゃないよ。この中のお肉も丁寧に刻んでくれてあるから食べやすいし、軟骨なのかな?コリコリした食感がプラスされてて凄く美味しい!!」
俺が料理を褒めると佐藤さんと真中さんも続いた。
「七菜ちゃん本当に美味しいよ!私じゃこんなに上手に作れない!!」
「七菜、天才。」
甘野さんなんて感動して涙を流している。
「うぅ。美味しい。もう焼いた肉とかだけでちゃんとした料理なんて食べられないと思ってたよぉ。」
確かにこれはちゃんとした料理だ。
飯田さんはスキル取得の時も【創造スキル調味料1】で5種類、【創造スキル調味料2】で5種類と、調味料にポイントを多く消費していたから料理が得意なのだろうとは思っていたが、想像以上だった。
「皆さん大袈裟です。大和さんたちが探索で色々な食材を持ち帰ってくれますし、美咲さんの施設開放で調理場や冷蔵室が作れたらもっと充実して来ますから、まだまだこれからですよ。」
飯田さんはまだまだと謙遜したように言うが、もっと美味しく作れるって意味だよね。むしろ期待が高まってしまう。
「まだまだこれからかぁ。期待しちゃうなぁ。」
「あまり期待し過ぎないで下さいね。私の料理なんて趣味レベルなんですから。」
何だか生きる気力が湧いてきた。美味しい物を食べるためなら頑張れるぞ。
美味しい物と言えばあれがあったんだ。
「そう言えば、探索中に鶏の群れを見つけたよ。マーキングしてあるから肉食獣に襲われて全滅でもしない限り捕まえられると思う。飼育場を作って卵を入手出来ないかな。」
飯田さんが目を輝かせる。
「卵は是非欲しいです!色々な料理に使えますよ!絶対に確保すべきです!」
「飯田さんがそう言うなら真剣に考えよう。でも鶏の飼育ってどうやればいいんだろう。知ってる人はいるかな?」
みんな無言だ。鶏の飼育方法なんて普通の高校生は知らないよな。
「誰も知らないか。そうなると捕まえてきても難しそうだね。」
俺の呟きを聞いて真中さんが提案してくる。
「このまま放牧。大和がマーキングで毎朝取って来てくれればいい。」
「それは放牧ではなくて野生だよね。でもそうだね。真中さんの言う通り、飼わずに放置して卵だけいただこうか。」
経験も知識すら無いのに畜産に手を出すのはまだ止めておこう。自分たちが食べる分くらいなら野生で十分だろう。
「次は牛を見つける。牛乳。」
「真中さんは牛乳を飲んで背を伸ばしたいんだね。」
「大和、殺す。」
「怖っ。もうチビ弄りはしないのでお許しを!」
「チビって言われた。やっぱり殺す!」
「ごめんごめん!本当にもう言わないから!!」
「牛を見つけたら許す。」
「しまったー。重い課題を押し付けられたー。」
牛かぁ。牛乳もだけど、牛肉も食べたいよな。焼肉食べたい。
でも野生の牛が生息している場所ってどこだろう。異世界だから元の世界の知識はあてにならないが、きっと草が生えている場所だろうな。木々の薄い草原とかを探してみようかな。俺たちの転移先としてわざとそういう場所を選んだのか、ここは食材が豊富だ。牛もどこかにいる気がするのだ。
俺が牛に思いを馳せていると、佐藤さんが小首を傾げて疑問を投げかけてきた。




