不可解
朝イチにパーティーメンバーを借りていた宿の一室に呼び出し、昨日の夜にパーティーに返す装備品やアイテムをまとめたラモンの心情は落ち着いていた。
(あいつらとの冒険は楽しかったな…俺ももっと早くパーティーを組むべきだったのかもな…)
パーティーメンバーが部屋に集まりラモンは3人の顔を見る
(冒険者に登録したてのクソガキ共からこんなに立派になって…ただ冒険者の先輩ってだけでA+ランクのリーダーもさせてもらえていい思い出を作らせてもらった…だけどこいつらはもっと上にいける奴らだ、俺が足引っ張るべきではない…)
「なぁ、ラモンさんよ。こんなに朝早くなんで呼び出しやがったんだ?」
「そうですよ、昨日はダンジョンの深部まで潜ってまだ疲労もとれてないんですからね」
「……早く寝たい……」
(ははっ、態度は生意気なまま体だけでかくなりやがって…でもこんな光景も最後だな…)
「今日集めたのは話があるからだ。これからの若獅子の牙にとってのいい報告だ!」
「え、なにかいい依頼でも入ってきたのか?それとも新メンバーを入れるとか?」
「早く!内容が気になります!」
「…どんなこと?…」
「今日をもって俺はこのパーティーを抜ける」
「やっとかよ、このパーティーじゃあんたのレベルには低すぎるんだよ。」
「これからはラモンさんがいなくなる分しんどい冒険になりそうですが、ラモンさんにいつまでもおんぶにだっこではダメですからね」
「…抜けるの遅すぎない?…早く上のパーティーに入りなよ」
え……どゆこと?
「待て、それはどういう意味だ?俺はこのパーティーの足を引っ張っているから辞めるんだぞ?」
「「「いや、そんなわけ」」」
「どこがどこをどう思ってそうなるんだよ」
「逆にこちらが足を引っ張ってしまってラモンさんの実力を出させずにすみませんでした。」
「…こんなとこにいるべき器じゃない」
(……なんで?
いやいやおかしいだろ。俺はこのパーティーで何も出来ないテイマーだぞ?)