六話 オークと神様ともう遅い
「くそ!くそ!どうしてこんなことに…!」
とある森の中。
ある男が『オーク』という猪面のモンスターと戦っていた。
大して強い魔物ではないが、男は苦戦を強いられていた。
「Gumoooooooooo!!」
「ひいっ!」
男は以前『獄炎の焔』という『頭痛が痛い』みたいな名前の冒険者パーティーでリーダーを務めていた。
彼は長らく攻撃面しか鍛えてこなかったため、防御面に関してはお粗末の一言。
よって、パーティー解散後は出会う魔物全てにボコボコにされていた。
そうするうち、敵が攻撃行動を取るだけで身がすくむようになってしまい、冒険者としても使い物にならなくなった。
しかし彼は過去の栄光を忘れられず、未だ冒険者にしがみついていた。
「こんなはずはない…あいつさえ、あいつさえいれば…また返り咲ける…!」
口癖のようにそう呟いて、男はオークに突撃して行った。
「Gumoooooooooo!!」
「ひいいっ!」
男はかつてのパーティーメンバーを探していた。
各地の冒険者ギルドを訪ねて回り、早八年。
しかし目的の男は一向に見つからなかった。
その人物は公爵家に取り上げられ、ついには自身も貴族へと成り上がっていたから、冒険者ギルドなどいくら探そうと見つかるわけもなかったのである。
「畜生!ンバーグさえ、ンバーグさえいれば!敵の攻撃なんか怖くないのに!」
それにしても八年、八年である。
当時二十一歳だったツドンも今では二十九。
三十路も目前だ。
そろそろオッサンの領域に足を踏み入れる頃合いである。
それなのに。
「ンバーグー!!どこだー!!俺が悪かったー!!だから戻って来てくれー!!」
いやもう遅いよ…。
最終話にも間に合ってないし…。
いい加減諦めたらいいのに…。
暇潰しに天界から見ていた神は、足をボリボリ掻きながら欠伸混じりにそう思ったのでした。
おわり
蛇足ってね⭐︎(ドヤ顔)(会心のネタ)(反省はしている)(後書きで差をつけろ)
え?
『ハーレムとエルフとケモ耳娘』はどこだって?
それはね、皆の心の中にいるのさ…(イケボ)。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
ドブボ先生の次回作にご期待下さい。