表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リカちゃんの災難  作者: つちまろ
6/9

マイホーム?


学校の話がまとまって一息ついた後、みっちゃんが口を開いた。


「俺、制服作るから。見本ほしい」



盲点だった制服の作成に声を挙げてくれた器用な幼馴染に感謝だ。



「ありがとうみっちゃん!クローゼットにかけてあるから、申しわけないけど開けて出してくれるかな?」


「(開けて)いいのか?」


「うん、私じゃ100年かかっても開けられないから!お願いします。」


「ん。」



女子のクローゼットを開けるのに躊躇してくれる真摯な幼馴染は、少し赤い顔でクローゼットを開けて

目当ての物を取り出すと、「じゃ。」と言って窓から帰って行った。



「あー、鍵…まぁいいか」



とりあえず友達に小人化したことを伝えよう。

そう思って携帯まで歩き、携帯の上でトランポリン、叩き、ようやくSNSを開く。


「トゥイッターでいいか…えーと、こ・び・と・か・し・ま・し・た…ハァハァ、もうこれでいいや」


送信ボタンを叩き、一息つく。



すると母がやってきた。


「リカちゃん、お母さんね、こんな物見つけたわよ~!」


そういって母が持ってきてくれた物、それは私と同じ名前を持つ超有名な人形の家と家財道具一式だった。

小学生のころみっちゃんにもらった人形をきっかけに、クリスマスや誕生日に買ってもらって揃えてきたが、最近ではすっかり押入れから出すこともなかった。



「やばっ、ぴったりサイズじゃん!」


「お洋服も、たくさんあるわよぉ」


「ほんとだ~!よかった食器とかもあるから洗えばそのまま使えそうだね!」


「そうね、さっそく洗って来るわねぇ」


「ありがとうお母さん!」



キッチンに向かう母を見送って、私は早速お宅見学と洒落込んだ。



―――なんということでしょう。

広い玄関に入ると、天井にはシャンデリア(電池式)、そして正面には2つの螺旋階段!

まるで中世ヨーロッパの映画に入り込んだような豪邸です!


玄関入って左にはダンスホールにもなりそうな広いリビング、ロココ調の調度品が並び、80インチのテレビ(映らない)が存在感を主張しています。

右側にあるのはダイニングキッチン。

日本には珍しい、2型のキッチンには、大理石の天版が存在感を表しています。

コンロは4つかない…お料理するのが待ちきれません!

無垢板を贅沢に使用した1点物のダイニングテーブルには金糸を編んだランナーが走っています。


階段を上がるとそこには3つの部屋が。

主寝室は一番奥、天蓋付きのキングサイズベッドがあなたをお待ちしています!




…と、そんなナレーションが頭に鳴り響いた。

さすがお人形さんの家、夢のように豪華…!

ちなみによくあるパカッと開けられる丸見え断面図ハウスだが、閉めていればプライバシーは保護されている。


早速キングサイズのベッドに座りお布団はみっちゃんに新調してもらおうかな~、と考えていると、ベランダの窓が開いた音がした。



「…できた。……どこ?」



早い。さすが夏休みの自由研究に手染め・手縫いの浴衣とか持ってきて金賞を取る男…


「ここ!マイホームだよ良いでしょ~!!」


寝室の窓を開けて手を振り、制服を受け取った。


みっちゃんが作ってくれた制服をコビトハウス(仮)の中で早速着替えてみる。

おお、ぴったりだ。


ダダダ、と階段を下りて玄関から出て、みっちゃんにピースサインを送る。



「さすがみっちゃん!ぴったりだよありがとう!!ヨッ天才!だいすき!」


「…ん。」


みっちゃんはいつもの無表情だけど、少し嬉しそうだ。



「いや~、みっちゃんがいなかったらと思うとぞっとするよ、本当にありがとう」



そう持ちあげつつ、羽毛布団のセットを発注するのを忘れない。

快く承諾してくれるみっちゃんは本当に大好きな幼馴染だ。



サポートキャラ、マンセー!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ