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リカちゃんの災難  作者: つちまろ
5/9

変態?

みっちゃんの独白です。



『小人病』



この病気がこの国で発症し出した頃、俺の妄想は止まらなかった。




大好きな幼馴染、お隣のお姫さま。

目がくりっとしていて、生まれつき色素が薄い亜麻色の髪は腰近くまでのストレート。

ちいさな頃から、お人形さんみたいだと思っていた。



小学校2年生のクリスマス、母に連れて行ってもらったおもちゃ屋さんで迷子になり、偶然彼女と同じ名前の人形を見つけた時は、なぜか胸がドキドキした。

その人形の売り場にはたくさんの服も売られており、ひとつひとつを穴が開くように見つめた。


一番彼女に似合いそうな服とその人形を手に母を探して、「…これ(が欲しい)。」と渡した時の母の顔は忘れられない。

とっさに「クリスマスプレゼントとしてリカちゃんにあげたい」と言うと、母は「びっくりした」と笑いながらカートに入れてくれた。


その後適当なロボットのおもちゃを買ってもらい、幼馴染の家に行き人形をプレゼントした。


幼馴染は包装をあけて人形を見つけると、すごく嬉しそうに笑ってくれた。

嬉しかった。



小学校4年生の冬、俺は貯めていたお年玉を手におもちゃ屋さんへと自転車で向かった。

そしてその人形と数着の服を購入した。


家に帰ってすぐ、購入した服を分解した。

2年間で描き貯めた服のデザイン画と分解した布きれを照らし合わせて、服の構造を黙々と研究した。

服屋を営み、自分で作った服も売っている父に教えを請い、裁縫の基本知識を得た。

ちなみにミシンは危ないからと、小5になるまで触らせてもらえなかった。


最初は分解した服を再度縫い合わせ、また分解しを繰り返した。

その後は母のいらない服や父の仕事で使った布のはぎれをもらい、何着も服を縫った。


父や母には、幼馴染の人形にあげる服を作っていると言った。

実際作った服はあげていたので、嘘はついていない。


ただ、『大好きな幼馴染にせっせと人形の服を貢ぐ可愛い息子』といった目で微笑ましく見られていたことに関しては、少し申し訳ないと思っている。



ミシンが使えるようになってからは、人形と同じ服を作って幼馴染にプレゼントした。

同じ服を着た人形を抱く彼女は神々しいほどに可愛くて、俺はその夜精通した。



人形を、幼馴染を着せかえることに興奮する俺は変態なんだろう、そう思い周りにはひた隠しにしていた。




中学で小人病の話を聞いて、人形サイズの幼馴染を着せかえて世話をする妄想をしたことも、数えきれないほどあった。




そんな俺に幼馴染からのSOSコールが来た。



神様のご褒美なのか、俺への試練なのか…高校入学目前、彼女は小人化した。

ちょうど人形の服がぴったり合う、サイズに。


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