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芹澤八雲は愉快に暮らしたい  作者: 芹澤 八雲
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興味

 タクシーを呼び乗って数分後、住んでいるアパートに着く。予定外の出費だ。

 自分の部屋のドアノブに鍵を差し、ドアを開ける。

 部屋の明かりを付け、煙草に火を付ける。煙草をくわえたまま冷蔵庫を開ける。幸いにも缶ビールが1本だけ残っていた。ちなみにそれ以外は何も入っていなかった。

 食欲はあまり無かった。缶のタブを起こし、喉に流し込む。

 ビールを飲みつつ、今日を思い出す。色々あって疲れた。

 グロテスクなものへの耐性が自分にあるのかどうかよく分からないが、やはりあの景色は鮮烈なものだった。


 忘れたくても忘れられないあの光景、被害者の男性の頭部。

 剥き出しになった脳。普通なら目にしない生の脳。事故にあう寸前まで動いていた脳。

 

 普通の人間なら忘れようとするだろう。むしろトラウマになり別の精神障害が起こるかもしれない。

 だが私は忘れようとはしなかった。むしろ、異常なほど興味を持っていた。

 私は検索をした。脳をもっと見てみたい。

 インターネットで「脳」と画像検索をかけるが殆どがイラストの脳か模型の脳である。画面をスクロールしてやっと実験動物の脳が出てくる。それでも私は画面をスクロールし、「人間の脳」を探し続けた。

 

 まぁ、諦めずにずっと調べ続ければ出てはきた。「人間の脳」が。

 実際に見たものとは違い血で汚れてもない。そしてシワがはっきりと見える。細部まで血管が張り巡らされているのがよく見える。


 だが私はあまり満足がいかなかった。やはり画像じゃ満足できない、実際にまた見てみたい、不謹慎ではあるが。

 

 そんな事を考えながら布団に入り、眠りについた。

  

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