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芹澤八雲は愉快に暮らしたい  作者: 芹澤 八雲
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競争

「お疲れ様でしたー。」

 こうして1日が終わった。いや、正確には「仕事が終わった」のが正しいな。まだ1日は終わってはない。だとしてもまた明日がある。つまらない「明日」がある。それは紛れもない事実だ。

 仕事中、1つ私が思ったことがある。

 競争。そう、人間はいつも競争している。

 人対人、あるいは集団で競う。例えばゲームのスコアやランク、販売店同士の売り上げ、そういったところで競争がある。

 その競争に意味はあるのだろうか?勝者は喜ぶ、敗者は悔しむ。そしてまた競争をする。

 結局のところ繰り返す事に変わりはない。どちらかが諦めるまで。

 私の趣味はゲームだ、ジャンルはFPS、オンラインで戦いあう。その戦いで勝てば嬉しいし、負ければ悔しくもなる。気が付くとそれを繰り返し続けている。ただ、正直その趣味に楽しさはあまり無かった。気が付くと、最近ゲーム機を起動することが無くなった…と感じた。

 冷静に考えると、つまらなかったと段々感じてくる。

 

 人が競争することに意味はあるのだろうか?そんな事を考え、自分の車に乗り、キーを差して回す。車のエンジンが動く、そうして車を発進させる。

 相変わらず道は渋滞している。いつもの事だ。そう思いつつも私は煙草に火を付ける。時速は大体20キロ位といつも通りである。

 この繰り返しの日常に飽きてるのは私だけなのであろうか?

 

 左手に車2台分ギリギリの道がある。そこで私は左にウインカーを出した。

 なんとなくだった、少し違う道で帰ることにしてみた。いつもならこのまま直進するが今日は左折した。ほんの気まぐれである。私は運転が得意じゃないほうだと自覚はしている。いつもより丁寧に運転する。このまま進んで少し広い道を右折すれば、多少遠回りではあるが家に着くことはできる。

 そんな細い道を進んでいたその時だった。向かい側から高速で車が突っ込んできた。

 咄嗟にハンドルを操作するが間に合わなかった。衝突した。不快な金属音が響いた。

 目の前が真っ白になった。いや、真っ白で風船のようなものが出てきた。これがエアバッグってやつなのだろうか。

 とりあえずドアを開けて外に出る。私の車のフロントがぐしゃぐしゃになっていた。

 それよりも私が目を引いたのは、相手方の車の運転席でハンドルにもたれて前かがみで倒れている血まみれの男性だった。

 「大丈夫ですか!?」途端に駆け寄る。近づいて見てよく分かった。


 男性の頭蓋骨が大きく割れて、脳がむき出しになっていることに。

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