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芹澤八雲は愉快に暮らしたい  作者: 芹澤 八雲
1/6

退屈

 

 「この世界は実につまらない」


 煙草の煙を吐き、そう呟く。

 毎日決められた時間に起き、会社へ行く。仕事をする。家に帰る。そしてまた起き、会社に行く。この繰り返しが5日間続く。あとの2日は休日だが無気力に過ごすのが殆どだ。そうしてまた5日間が始まる。

 この退屈でつまらなすぎる日常に飽きる人間が多い。故にファンタジーに憧れる。異世界転生?馬鹿馬鹿しい。そんな事などある筈もない。まぁ、死んだら転生するかもな。死んだらの話だが。

 ファンタジーなど存在しないのが現実。故にある人は休日を趣味に費やす。

 趣味といっても色々ある、スポーツやゲーム、ショッピング、読書など、色々なことに手を出す。しかし残酷なことに趣味に浸れる時間は限られているのが残酷な現実だ。たとえ2日間がいかに充実したものであったとしても、残りの5日間は退屈な仕事に追われる。

 なら仕事を趣味にすればいい?それが出来れば苦労しない。出来ててもほんの僅かだろう。むしろ仕事を楽しめる人が居るのだろうか?

 少なくとも私は仕事を楽しんでいない。怠い。早くこの5日間が終わることを願っている。と思っていても2日後にまた、退屈な5日間は襲ってくるのが現実。

 そんな事を考えながら煙草を吸っていた。私にとっての煙草は気持ちを切り替えるスイッチのような役割を果たしている。あと10分で休憩も終わる。

 人は何のために生きているのだろうか?もう人間としての種族は繫栄している。

 そう考えるとなぜ動物は新たに動物を生むのだろうか?個体数を増やすため。というのが一般的な解答だろう。そして繫栄する。繁栄した動物はどうするのだろうか?

 そんな事を考えている間に休憩が終わる。ああ、また退屈な時間が始まるのか。

 繰り返ししかない今の世界が嫌になる。この繰り返しの先に見えるのは何なのだろうか?いや、もう分かっている。繰り返すだけだ。

 

 そうして、私は絶望した。

 

 

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