バレちゃった
トイレの個室で、息を整える。落ち着け、落ち着け、見るな見るな見るな、、、
どうしても目が行くあの男の人、、、
まずあの服は何?
何かの民族衣装だよね?
人種からして私たちとは違うと思うんだけど、、、
うう、戻りたく無いけど、そろそろ戻らないとお腹下してると思われるし、、、
「マカ、どうせこの2日間だけの間柄なんだから背後霊が見える変人ってバレてもいいんじゃない?」
「え、やだよ!だって、あの人、何考えてるかわかんないし、もしかしたら怪しい実験とかされるかも、、、」
頭を抱えてうなっていると、トイレの入り口のドアがノックされる。
「マカちゃん、大丈夫?」
ケンザキ博士の声に慌ててトイレを出る。
「だ、大丈夫です、あはははは」
もーートイレにまで声かけに来なくていいよーー!
と内心思いつつ、案内された部屋へ入る。
入ると急に視界が真っ暗になる。
何か布みたいなものに突っ込んだようで、その布をどかそうと手を動かした。
スカッ
ん???
一歩下がって見る。
わあ、さっきの背後霊の人だ〜
、、、大変だ。これは緊急事態だ。
「な、何か虫が、、、」
自分でも苦しい言い訳だと思いつつ、博士の方に笑顔を向ける。
だが博士は、口を開けたまま動かない。
「あ、あの、ケンザキ博士??」
顔を除きこんだ瞬間、両手を握られ、顔をずいっと近づけてきた。
「マカちゃん!見える人なの?!?!本当に?!生まれた時から見えるの?君もカラミティ持ちなの?!どんな感じなの?!」
まくしたてるように質問攻めにされ、あっけに取られ、今度は私が口をあけたまま動けなかった。
ああああ、ばれちゃったよーーーー!
という考えがぐるぐるまわって生きた心地がしなかった。