近未来都市、ラグナダ
車で走ると、10分くらいしたあたりから景色が変わった。駅のあたりは商店が多い下町の風情が素敵だと思っていた。しかし、街中に入るにつれて、高層ビルが立ち並ぶ近代的な雰囲気に。
「見たことないものがいっぱい、、、!」
「マカ・サルバメントちゃんが住むシャリークは昔ながらの街並みが多いらしいね。ここは、良い意味でも悪い意味でも発達してるからね、、、。」
「あの、さっきから思ってたんですけどマカでいいですよ、ケンザキ博士。」
ケンザキ博士としては、少し抽象的で知的な発言をしたつもりだが、マカには伝わらなかったようだ。
少し肩を落としつつも、こほん、とせきばらいをして体制を立て直す。
「マカちゃん、このあとは僕のラボで少し詳しく話を聞こうかなって思ってたんだけど、やっぱり疲れてるかな?」
「全然!大丈夫です!!お願いします!!」
学校に1週間で戻るためには明日で帰るしかない。それを超えて欠席なんかしたらシスターマリアがどんだけ怒るか、、、考えただけで恐ろしい、と自分の体調など気にしない。
「ありがとう、あまり無理しないでね。」
ほとんど顔の見えないケンザキ博士だが、今笑ったのは何となく感じ取れた。マカはその優しさに触れ、少し緊張が緩んだ。
30分ほど街を走ると、急に開けた場所に出た。そして、中央にタワーがそびえ立っている。そのタワーに向かって車が走る。
「え?こ、ここですか、、?」
「そうだよ。大きくてびっくりしたかな?」
いやいや、びっくりなんてこの街に来てからしすぎて感覚が麻痺しそうなんですけど、、、と思うマカ。
タワーの前に着くと、車の窓から博士が手を出す。すると、タワーの扉が自動で開いた。村に自動ドアなんて無いマカは目を白黒させる。何が起こったのかわからない。
そして、車を停め、博士がマカをエスコートするようにおろしてくれる。マカは、博士の背後霊の男の人と目を合わせないよう必死になった。
プシュケーが耳元で、近くで見るといい男ね、なんて言ってくるからついつい見そうになるのを必死でこらえていた。
その様子を不思議に思った博士が、心配してくる。
「どうした?やっぱり疲れちゃったかな?」
「い、いえ、あっ、あの、、ト、トイレ!トイレに行きたいです!」
なんて苦しい言い訳、と思いつつトイレの場所を聞いて小走りで2人から離れた。
更新に間が空いてしまってすみませんでした、、、
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