ワンタイミング
連打されるモニターは
年季が入り過ぎて
もうひび割れてきているのに
買ったばかりだからと
気が付かないで
親指が
無遠慮に
プッシュする
既読とか未読とか
そんな言葉に一喜一憂
リアルタイムの反映に慣れ過ぎて
まるで光の速さで世界にダイブしっぱなし
どんなSFもびっくりするような
データの身内共有社会
同じ部屋の中でさえ
響くのはピンポンというフォンの音
画面の向こうに誰がいるのさ
君の隣にいるのは誰さ
声掛けしそびれたワンタイミング
呼び出し音の方が、僕より早く
君の注意を持っていく
アテンションプリーズ?
もっと、直にこっちを見てよ
何か、大事なことを忘れている気がする。
ありがとうございました。