プロローグ
こんにちは。はじめまして。
tasmanと申します。
ロボットアニメと特撮ヒーロー、そして某週末ヒロインをこよなく愛する残念なおっさんです。
自分はもともと、中学高校の時分に物書きを目指しておりまして、ちょこちょこと小説(っぽい何か)を書いておりました。
結局、大学進学に伴ってそんな夢からは覚めてしまったんですが、就職活動が一段落ついてヒマを持て余してしまい、なんとなく創作活動を再開してみた次第です。
今回の作品は、そんな自分が中学の頃から妄想としてずっと温めてきた、所謂『ぼくがかんがえたさいきょうのろぼっと』をどうにか形にしてみようと試みたものです。
魔道外殻という、10年以上自分の脳内で活躍している、スーパー系とリアル系の中間みたいなロボットを、カッコよく表現できたらいいなぁ、なんてことを考えながら書いております。
一応、テーマとしては「正義とは何か」、「だれしもが抱えうる、日常の中の正義と葛藤」、「昭和テイストと平成テイストの融合」を設けております。
ちょっとありきたりな上にほのかにパクリ臭がしないでもないですが、たまたまかぶっちゃっただけなので、その点だけはご理解を。
それでは、拙い文章ではございますが、どうぞよろしくお願いします。
あの日も、こんな雨が降っていた。
窓を叩く雨の音、それ以外に音はなく。
時折走る稲光、それ以外に光はない。
僕はその手に拳銃のグリップをしっかりと握りしめ、何をするでもなく椅子に座って時が経つのをただ、待っている。
聴覚と視覚が意味を失ったこの部屋で、唯一つ感じられる確かな感覚、それを確かめるかのように。
十年前のこの日、奇しくも僕の6歳の誕生日出あったこの日。
僕は父を失った。
部屋の外、どこか遠くからゴーン、と一つの音が聞こえた。
居間に置いてある柱時計が、時を数える音だろう。時刻は午前1時をまわったらしい。
ということは、僕は1時間もこうして暗闇の中で過ごしていたことになる。
もう、十分だろう。脇にある机に拳銃をそっと置き、僕は立ちあがった。
僕はまだ16歳になったばかりで、想い出に耽るほど歳を食っちゃいない。
それに、もう時間だ。
軽い立ち眩みでふらふらと揺れる頭を押さえ、感覚を頼りにドアまでたどり着き、階下を目指す。
今日は火曜日。
そう、今日は『機動剣士ギンガム』シリーズの最新作、ギンガムファンの間では1stギンガムに次ぐ傑作であると話題沸騰中の深夜アニメ、『機動真剣士ギンガムX』の放送日なのだ。
見逃すわけにはいかない。