パパのウッドデッキ大作戦・壁画編 — 自由すぎる建築家たち —
前回の「床」だけでボロボロになったパパですが、どうやら「壁」を作ってさらなるオシャレ空間(目隠しフェンス)を目指すことにしたようです。
しかし、4人の子供たちがいる家で「壁」を作るということは、それは単なる仕切りではなく、「巨大なキャンバス」兼「秘密基地の壁」が誕生することを意味していました。
第1章:水平器との孤独な戦い
「いいか、壁っていうのはな、垂直が命なんだ」
パパ(38歳)は、水平器(角度を測る道具)を片手に、得意げに長女・陽葵(9歳)に講釈を垂れていた。
パパが柱を立てようと踏ん張っていると、後ろから次女・澪(7歳)が柱をツンツンとつつく。
「パパ、これちょっと斜めじゃない? 私の『心の目』で見ると、右に5度傾いてるよ」
「澪、心の目はいいから、その柱を押さえててくれ! 倒れる!」
第2章:三女の「インテリア」相談
パパが必死に板を打ち付けていると、三女・結菜(4歳)が、自分のおままごとセットから「ピンクのプラスチックの皿」を持って現れた。
「パパ、ここにこれ付けて。お花の窓にするの」
「結菜、これは木の壁なんだ。プラスチックは付かないよ」
「やだ! 窓がないと、お外の妖精さんが入ってこれないでしょ!」
結局、パパは壁の途中に「妖精専用」という名の、中途半端な四角い穴を開けさせられる羽目になった。
第3章:長男、壁と同化する
最大のパニックは、パパが壁の塗装を始めた時に起きた。
「よし、このウォルナット色のペンキでシックに仕上げるぞ……」
パパが丁寧に塗っていると、下の方で「ペタッ、ペタッ」と音がする。
見ると、2歳の颯太が、自分の両手にペンキをたっぷりつけて、完成したばかりの壁に「手形スタンプ」を乱打していた。
「あああ! 颯太! シックな大人の空間が……!」
パパが叫ぶが、もう遅い。それを見た澪と結菜も「楽しそう!」と参戦。
「私もやる!」「ゆいなもスタンプするー!」
第4章:ママの検品
夕方、ようやく(色んな意味で)完成した「壁」の前に、ママ(33歳)が呼び出された。
そこにあったのは、パパが理想とした「カフェ風ウッドデッキ」ではなく、
下のほうに2歳児の茶色い手形がびっしり。
真ん中に「妖精の窓」という名のいびつな穴。
なぜか次女によって「パパのばか」と彫られた小さな落書き(後に「パパだいすき」に修正された跡あり)。
ママはしばらく沈黙した後、プッと吹き出した。
「……パパ。これ、世界に一つだけの『現代アート』ね」
「まあ、そうだろう? 家族の歴史が刻まれてるんだ」
パパは強がったが、腰をさすりながら、心の中で「次はプロに頼もうかな……」と密かに誓うのであった。
その夜
夜、リビングからウッドデッキを眺めると、子供たちが自分たちの手形を見つけては「これ私!」「これ颯太くん!」とはしゃいでいる。
それを見たママが、パパの肩にそっと手を置いた。
「お疲れ様。……次は、屋根も作る?」
「……それは来年まで待ってくれ」
パパのDIY生活は、まだまだ(強制的に)続くようです。




