パパのウッドデッキ大作戦 —— 釘一本の行方 ——
38歳のパパが「日曜大工(DIY)」に目覚める……。それは、家族にとって「期待」半分、「不安」半分の一大イベントです。
今回は、パパが夢見た「オシャレなウッドデッキ」製作が、4人の子供たちの乱入!どうなることやら~
日曜日の朝。パパ(38歳)は形から入るタイプだ。
真新しい作業着に身を包み、ホームセンターで買い込んだ木材を庭に並べる。
「いいか、みんな。ここにウッドデッキができたら、夏はプール、秋はバーベキューだぞ!」
パパの宣言に、子供たちは大歓声を上げる。
「パパ、かっこいいー!」と目を輝かせる三女・結菜(4歳)。
「……パパ、設計図あるの? ちゃんと測らないと歪むよ」と、算数ドリルの成果(?)を見せる長女・陽葵(9歳)。
ママ(33歳)は、キッチンから冷ややかな、それでいて心配そうな視線を送っていた。
「パパ、怪我だけはしないでね。あと、今日中に終わらせてよ? 庭が木材置き場のままなのは困るから」
第1章:電動ドリルの誘惑
パパが電動ドリルを取り出し「キュイーン!」と音を鳴らす。
その瞬間、男のロマンを理解した2歳の長男・颯太が突進してきた。
「じょー!!(貸せー!)」
「ダメダメ! 颯太、これは危ないんだ。向こうで砂遊びしてなさい!」
パパが颯太を遠ざけている隙に、次女・澪(7歳)が、パパが丁寧に並べた木材の上にマジックで何かを描き始めた。
「澪! 何してるんだ!」
「これ、パパが迷わないように番号書いてあげたの。……あ、間違えた。これ『3』じゃなくて『E』だった」
「番号じゃないし! しかも消えないマジックだし!」
第2章:消えたネジのミステリー
パパが木材を組み合わせ、いよいよネジを打ち込もうとした時。
「あれ? ここに置いてあったネジの箱は?」
パパが辺りを見回すと、三女・結菜がネジを砂場に並べて「お墓参りごっこ」をしていた。
「結菜! それは大事な部品だ! 砂だらけにしないでくれー!」
パパがネジを回収している間に、今度は長女・陽葵が冷静に一言。
「パパ、この木、上下逆じゃない?」
「えっ……。あ! 本当だ! 陽葵、よく気づいたな……」
9歳児の観察眼に助けられながら、パパの額には冷や汗が流れる。
第3章:2歳児、ペンキの魔術師
最大の悲劇は、パパがちょっと目を離した隙に起きた。
仕上げ用の防腐剤の缶を、颯太がひっくり返したのだ。
「あわわわわ!」
パパが駆け寄った時には、颯太の手足は真っ茶色。さらに、その足でリビングへ向かおうとする颯太。
「パパ! 颯太止めて! 絨毯が死ぬわ!」
ママが窓から身を乗り出して絶叫する。
パパは泥棒を捕まえるような勢いで颯太を確保し、そのままお風呂場へ直行。
ウッドデッキ作りは強制中断となった。
終章:未完成の芸術
夕暮れ時。
庭には、半分だけ組み上がった、どこか歪な形の木枠がポツンと残されていた。
パパは湿布を腰に貼り、疲れ果ててソファに沈んでいる。
「……パパ、今日はお疲れ様。でも、これいつ完成するの?」
ママの問いに、パパは力なく答える。
「……来週。いや、再来週かな……」
すると、子供たちがパパの周りに集まってきた。
「パパ、今日の『ガタガタの階段』、ジャンプして遊ぶのにちょうどいいよ!」(次女・澪)
「パパ、ここの隙間にダンゴムシのお家作ったの!」(三女・結菜)
未完成のウッドデッキは、すでに子供たちの最高のアスレチックになっていた。
パパはそれを見て、苦笑いしながら「まあ、喜んでるならいいか」と自分を納得させるのであった。




