朝の衣装選び紛争と、パパの「ゴミ出し」大作戦
朝の「起きない問題」をクリアしたのも束の間、次に待ち構えるのは「お着替え」という名の衣装選び紛争、そしてパパが意気揚々と挑む「ゴミ出し散歩」です。
AM 7:45 「今日、これじゃない」事件
食卓から離れた瞬間、次女・澪(7歳)と三女・結菜(4歳)の動きが再び止まった。
「澪、学校の服に着替えて! 結菜、幼稚園の制服!」
ママ(33歳)の指示が飛ぶが、澪がクローゼットの前で腕を組んでいる。
「お母さん、今日、算数があるから、このズボンじゃ『やる気』が出ない」
「算数とズボンの関係って何よ! 早く履きなさい!」
「こっちのフリフリのスカートがいい。これなら計算が早くなる気がする」
1年生のこだわりは、もはや哲学だ。一方、三女の結菜はといえば……。
「ゆいな、制服やだ! 今日はピンクのドレスで幼稚園行くの!」
「幼稚園にドレスはダメ! ほら、ブラウスのボタン留めて!」
逃げる4歳、追いかける33歳。
そこへ、長男・颯太(2歳)がパジャマを脱ぎ捨てて「全裸」でリビングを駆け抜ける。
「わー! 颯太、服を着てー!」
ママの悲鳴がこだまする中、パパ(38歳)が救世主のような顔で現れた。
「よし、女子たち! パパと『ゴミ捨て冒険隊』に出発するぞ! 早く着替えたやつが隊長だ!」
AM 8:10 ゴミ捨て冒険隊&学校に出発
パパの「隊長」という言葉に釣られ、なんとか着替えを終えた一行(澪は結局スカート、結菜は制服の下にパジャマのズボンを履いたまま)。
パパは両手に大きなゴミ袋。
右に澪、左に結菜。そして背中には、なぜか「パパのリュック」と化した颯太。
「出発進行ー!」
「「おー!」」
家を出てすぐ、隊長の澪が指示を出す。
「パパ、あっちに『悪い怪獣』がいるから気をつけて!」
「了解。隊員、ゴミ袋をガードしろ!」
パパはゴミ袋を振り回し、カラスを威嚇しながら進む。
結菜は相変わらずの「歩きたい病」を発動。
「あ、パパ! 昨日の雨で、アリさんのお家が水没してるよ!」
「本当だ。結菜隊員、救助活動は帰りにしよう。今はゴミ捨て場というゴールを目指すんだ」
ゴール到着、上2人の女子は颯爽と学校へ、、、そして!
AM 8:20 ゴミ捨て場での悲劇
ようやくゴミ捨て場に到着。
パパが颯太を背負ったまま、腰をかがめてゴミ袋を置こうとしたその時。
「パパ! 待って! その袋に、結菜の『たからもの』入れたかも!」
「えっ、今さら!? 何を入れたんだ?」
「……どんぐり」
「どんぐりならいいよ! 捨てよう!」
パパが袋を置いた瞬間、背中の颯太がパパの耳を力いっぱい引っ張った。
「ぎゃああ! 痛い、痛い! 颯太、耳はハンドルじゃない!」
さらに追い打ちをかけるように、次女の澪が冷静に指摘する。
「パパ、あっちから同じクラスの田中くんのママが来てるよ。パパ、鼻毛出てるけど大丈夫?」
「えっ!? ちょっと待て、パパの威厳が……!」
パパは慌てて鼻を押さえ、背中の長男をなだめ、どんぐりを惜しむ三女を抱き上げ、全力の笑顔で「おはようございます!」と挨拶する。その姿は、冒険家というよりは、**「限界を超えた大道芸人」**のようだった。
AM 8:40 帰還、そしてママの絶望
「ただいまー! 冒険終わったぞー!」
泥だらけ、汗だくで帰ってきた一行。
ママが玄関で出迎えると、そこには、
スカートが泥で汚れたぐちゃぐちゃの三女。
なぜかパパのネクタイをヨダレでベタベタにしている長男。
「……パパ。ゴミを捨てに行って、汚れを連れて帰ってきたのね?」
ママの冷ややかな視線に、パパは引きつった笑いで答える。
「……でも、みんな楽しそうだったろ?」
この後、着替えを「もう一回」やり直すママの怒声が響くまで、あと30秒。
ママが一人で一息つく「嵐の後の静けさ」




