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6人家族の珍道中 ドタバタ家族の記録  作者: ゴリラ


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片道500メートルの大冒険 —— 三女の「歩いて登園」宣言 ——

幼稚園年中の4歳児といえば、こだわりが爆発するお年頃。「歩いて行きたい病」は、ママにとっては体力と忍耐の限界を試される試練!

下には2歳のやんちゃ盛りがいるとなると……それはもう、ただの「散歩」ではない

それは、ある火曜日の朝のことだった。

4歳の三女・結菜ゆいなが、玄関で靴を履いたまま固まった。

「……ゆいな、バス来るよ? 急ごう」

ママ(33歳)が促すが、結菜は首を横に振る。

「バス、のらない。ゆいな、お花さんとお話しして行きたいの。あるいていく!」

これが、恐怖の「歩いて行きたい病」の発症だった。

幼稚園までは大人の足で10分。しかし、4歳児と、ベビーカーに乗った2歳の颯太を連れての道のりは、もはや「遠征」である。

AM 8:40 出発

「いい? 寄り道しないで、まっすぐ歩くんだよ」

ママは颯太をベビーカーに乗せ、左手で結菜の手を引く。

しかし、開始3メートルで結菜が止まった。

「あ! ダンゴムシさんだ!」

「ゆいな、ダンゴムシさんは後でね。ほら、前見て」

「だめ。ご挨拶しなきゃいけないの」

AM 8:55 まだ中間地点

普段なら3分で着く角に、15分かかってようやく到着。

結菜の歩みは、まるでスローモーションだ。縁石の上を平均台のように歩き、マンホールの蓋は「ワープゾーン」だからとジャンプして飛び越える。

その横で、ベビーカーの颯太が「おろせー!」と暴れ出す。

「颯太、今はダメ! お姉ちゃんが歩いてるから!」

「あー! あー!!」

AM 9:10 ママの限界

ようやく幼稚園の門が見えてきた。しかし、ここで最後の難関が。

結菜が道端に咲くシロツメクサに夢中になり、ついに座り込んだのだ。

「ゆいな、もう先生待ってるよ。ほら、行こう?」

「……ゆいな、もうお足が疲れちゃった」

「えっ……あと30メートルだよ?」

「だっこ……」

「……無理!!」

ママの心の叫びが響く。前にはベビーカー、後ろには「歩かない」と言い出した15キロの4歳児。

そこへ、門の前にいた先生が気づいて駆け寄ってくれた。

「結菜ちゃん、おはよう! 今日も歩いてきたの? すごいね!」

その声を聞いた瞬間、結菜はシャキッと立ち上がり、「えへへ、ゆいな、頑張ったんだよ!」と、何食わぬ顔で門の中へ走っていった。

AM 9:30 帰路

嵐が去った後の帰り道。

ママは、空のベビーカー(なぜか颯太は歩きたがり、ママが片手で抱っこ中)を押し、独り言をつぶやく。

「……これ、毎日やるの?」

家に着くと、長女・陽葵が忘れていった算数ドリルと、次女・澪が脱ぎ散らかした靴下がママを待っている。


ママは深呼吸を一つして、自分に言い聞かせた。

「よし。明日は……飴玉(ご褒美)をポケットに忍ばせて行こう」

こうして、ママの「歩いて登園」という名のダイエット(という名の修行)の日々が幕を開けたのである。

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