パパの「お風呂大作戦」—— 裸の戦場 ——
子ども4人と風呂場の戦場
「よーし!今日はパパとみんなでお風呂だぞ!」
パパ(38歳)の掛け声に、リビングが歓声(と一部の悲鳴)に包まれる。ママが夕食の片付けに専念できるよう、パパは一大決心をした。
第一段階:脱衣所のカオス
まずは服を脱がせるところから。
「颯太(2歳)、逃げるな!オムツで走るな!」
逃げ回る長男を捕まえている隙に、三女の結菜(4歳)がパジャマを裏返しに脱ぎ捨て、次女の澪(7歳)はなぜか脱衣所で逆立ちの練習を始めている。
「陽葵(9歳)、悪いけど結菜のボタン手伝って!」
「はいはい、パパ落ち着いて。ほら結菜、こっち向いて」
長女の冷静なサポートが、沈没寸前のパパ丸を救う。
第二段階:洗い場のパニック
いざ浴室へ。狭い空間に5人の人間。湿気と熱気でパパの体力は早くも削られ始める。
「冷たーい!パパ、シャワー冷たい!」
澪が叫ぶ。
「あ、ごめん!……今度は熱い? ちょうどいい温度って難しいな……」
パパが颯太の頭を慎重に洗っていると、横から結菜が「泡のケーキ!」と言って、パパの背中にシャンプーの泡を塗りたくった。
「こら、結菜! パパはキャンバスじゃないぞ!」
さらに、澪がシャワーを振り回し、長女・陽葵の顔に直撃。
「ちょっと澪! 目に入ったじゃん!」
「あはは、ごめーん!」
「こら、喧嘩しない! 颯太、シャンプーの泡を食べようとするなー!」
第三段階:湯船の芋洗い状態
ようやく全員洗って湯船へ。
4人の子供たちが一斉に入ると、お湯の半分は外へ溢れ出した。
「おっ、パパ、このお風呂狭いよ!」
「お前たちが大きくなったんだよ……」
2歳の颯太を膝に乗せ、4歳を横に抱え、小学生組と向かい合う。
「パパ、クイズ出して!」
「いいぞ。じゃあ……『お風呂に入ると必ずやるスポーツは何だ?』」
「はい! かけっこ!」と4歳の結菜。
「違うよ、正解は『湯道』!」とパパがドヤ顔で言うが、9歳の陽葵に「……パパ、それ柔道のこと? ちょっと古いよ」とバッサリ斬られる。
第四段階:お風呂上がり、最大の難所
「さあ、出るぞ!」
ここからが本番だ。パパは自分を拭く暇もない。
びしょ濡れのまま、まずは颯太をバスタオルで包んでママにパス。次に結菜を確保。
「澪! 裸で走り回らない! 湯冷めするぞ!」
「キャハハハ!」
ようやく全員をリビングへ送り出し、パパが一人、静まり返った浴室に戻ったのは15分後だった。
鏡を見ると、パパの頭には結菜が乗せた「泡の角」がそのまま残っている。
「……ふぅ。一人で入るお風呂より、10倍疲れるけど……」
リビングから聞こえてくる「パパ、早く遊ぼう!」という子供たちの元気な声。
パパは自分の濡れた髪を適当に拭きながら、「次はもう少し効率的な作戦を立てよう」と心に誓うのだった。
1時間半におよぶ風呂場の戦場




