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忘れられないあの日々

ああ、もうあれは随分前のことになるな、、、、

俺はグロースカという名前で天界で龍神として生活していた。

天界といっても「みんな」が思い浮かべているような場所ではなく、中世ヨーロッパの宮殿を大きくしたような場所だ。

そこには多くの神達が生活していて、大体のことは俺とあと二人の最高神で決めている。

まあ、残りの二人については後で話すよ。

ここ天界では、多くの世界の管理をしているんだが中でも最高傑作なのが地球だ。

他の世界は他の神達に管理を任せているが地球だけは俺たちで管理していた。

20XX年、地球では第6次世界大戦が起こりその戦争で導入された兵器たちによって文明は崩壊しかけていた。そんな中人類は神に祈った。

「ああ、神よどうかお力添えを」

「この世界を立て直してください、、、」

そんな声が増え、神への信仰心が増えていったことで俺たち神の間でも地球を助けてもいいのではないかという議論が巻き起こった。

「おいおい、今地球では信仰心がふえているんだぜ?これが助ける理由にならなきゃいったい何が助ける理由になるんだ?」

「まあまあ、少し落ち着けスカッグまずは状況を整理しよう。」

こんなふうに言い合っているのはさっき話に出てきたスカッグとシャーナだ。

こっちの金髪メンズハーフアップの青色の瞳がスカッグで、そっちの藍色の髪のポニーテールで金色の瞳を持っているのがシャーナだ。ちなみにここだけの話だがシャーナは何がとは言わないが結構おっきい。

この二人は前々から意見が対立することが多く、天界にいる神達はスカッグ派とシャーナ派に分かれてよく対立が起きている。

大体の場合直情型のスカッグが推し進めている政策を慎重派のシャーナが止めることで言い合いになるケースがほとんどだ。ちなみに俺はというとどちらつかずで俺と同じどちらの派閥にも属さない神達でまた派閥を作っている。神のランキング上では俺が1位でシャーナが2位、スカッグが3位という力関係なのだが実力にそこまで大差がないのでこうして対立が起きてしまっている。

「はあ、どうしたもんかねえ」

「グロースカも言ってやれよ!地球をすぐにでも助けるべきだと‼︎」

「いいや、これまで人類を助けてきたが結果はこのとおりなんですよ⁉︎もっと慎重に行動するべきです。」

「うーん、、、確かに人類の信仰心が上がってきていることだし助けた方が俺たちの利益にはなるんだよなあ。でも確かに今まで成功しなかったのも事実だし、、、、」

俺が言葉を濁しているとシャーナとスカッグが迫ってきた

「「結局どっちなんですか⁉︎

       なんだ⁉︎」」

二人の声がハモって部屋の中に響く。

そして俺は決断した。

「よし、人類を助けよう!確かに慎重に行動した方がいいのはわかるが今回は助けた方が利益がでかい。」

「よっしゃ!今回は俺の意見が通ったぜ!」

「はああ、どうなっても私は知りませんよ?」

自分の意見が通ったと大喜びしているスカッグを呆れた目で見ながらシャーナは不満気な表情を浮かべている。

「まあ、悔しいのはわかるけど今回はスカッグの意見の方が正しかったんだ」

「まあグロースカがそういうなら、、、、」

納得してくれたみたいだ。

「では、地球へ出発する時を明日の朝5時とする!各自備えよ!」

そう俺が号令をかけると

「了解!大将!」

「仰せのままに」

威勢のいい返事と共に二人は部屋から出ていった。

「さて、、、俺も用意しますか」

そう言って俺は自らの武器をメンテナンスしたり服などに異常はないかを順々に確認していった。

そして、魔法のメンテナンスをしていた時俺は違和感に遭遇した。

「ん?なんか変な感じがするな、、、、、何故か魔法の発動が少し遅い気がする、、、、、」

確かめてみると確かに少しだけ遅いのだ。

おかしいな、腕が鈍っただけか、、、、?

まあ、発動できないわけではないし、いっかと俺はこの事について放置して次のメンテナンスに移った。

そして、出発当日朝5時

「地球へいく神達は全員揃ったか?」

俺がそう聞くとほとんどの人がはいと答える中で唯一いない奴がいた

このパターンは、、、、、、

「すみません!遅れました!」

そう言って飛び込んできたのは明らかに寝巻きであろう格好で青い色の髪はボサボサで孔雀色の目をトロンとさせながら登場した。

「遅いだろ!今まで何してたんだよ!」

スカッグがキレ気味で話しかけるとシャーナは

「寝てた」と悪びれもなく答えた。

「お前、、、、、マジかよ、、、、、」

とスカッグが唖然としている間に俺は話を進めていく。

「今回の作戦について諸君もよく理解していると思う!しかし、もう一度伝えるのでよく聞くように!」

「は!」

「まず、何故地球に行くかというと人類の壊れかかった文明を建て直すためだ

また、これ以上何も起きないように神が一定時間とどまってもらう事にした!」

「は!」

「以上!困ったことがあったら聞くように!」

そう伝えると俺は地球へのワープゲートを作り始めた。出来上がる頃には、みんな最終確認を終えて出発用意ができていた。優秀だなと思いつつ俺はゲートを潜るように指示を飛ばす。全員がワープゲートに入ったことを確認し、俺もワープゲートを潜る。

入ったと同時に俺たちは絶句した。

シャーナ、ましてやあんなに地球を救うことをおしていたスカッグさえも目の前の光景を見て立ち尽くしてしまっている。

その眼の先には完全に生気を失い誰も存在していないようなゴーストタウンが広がっていた。

一部が崩れ落ちいている建物には植物が巻きつきその中では鳥達が暖をとっている。整備されていたはずの道路には所々に穴が空きとても車が走れるような状況ではなかった。

「これはひどい、、、、、」

「いったいどうしてこんな事に、、、、、」

少し経ち、呆れた声や悲しみに満ちた声が辺りから聞こえてくる。

俺たちは呆然と立ち尽くすことしか出来なかった


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