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130/185

第130話 見透かされている

~織原朔真視点~


 さっきの一戦から流れは明らかに獏さんに傾いた。そしてアンティがここで50から100に上がった。


 

BBパウラ・クレイ

  →21450


  霧声麻未

   →9450

 

  天久カミカ

   →9450 


  Dエドヴァルド

  →8350

  

  SB積飛獏

  →10200 


 配られた2枚のカードはこれだ。


 ♦️A

 ♦️J

 

 ──強い……


 しかし強いだけに勝負せざるを得ない。先程のようにレイズを宣言すれば自分の手が強いと思われるのか、それとも前回と同様、弱い手でブラフをかましていると思われるのか、それはわからない。


 麻未さんは『フォールド』、カミカさんは『コール』した。


 天久カミカ9450→9050

 →400


 そして僕の番だ。カミカさんが初めての『コール』ということは強い手であると予想できる。


 ──そうだ。カミカさんだ。相手は積飛さんだけではない。だとしたらカミカさんに乗っかる形で……


 僕は『コール』を宣言する。


 エドヴァルド8350→7950

 →400

  

 次は積飛さんの番だ。積飛さんは例の如く喋る。


「なるほど、カミカさんは初めてのコールに対して、エドも初手コール。さっきの1戦でブラフのレイズが通用しないと思い、エドはカミカさんにターゲットを絞ったか……いや、ここは奇しくも強い手が来てしまい、露骨にレイズができなかったんじゃないか?仮にレイズをしてカミカさんに降りられちゃ折角の良い手が台無しになっちゃうからな」


 本当によく喋る。


「だったらこれでどうよ?レイズ」


 SB積飛獏10200→9600

 →200+600=800


 何してくれてんだ、と思ったと同時にこうも思った。


 ──獏さんは僕を潰す気だ……


 案の定、パウラちゃんと先程『コール』を宣言したカミカさんは『フォールド』、対して僕は『コール』を宣言。


 エドヴァルド7950→7550

 →400+400=800


 場にカードがオープンされる。


 ♣️7

 ♠️10

 ♥️A


 ディーラーボタンの左隣である積飛さんから始まる。しかし彼はチェックを選択した。


「あれ?どうしたんすか獏さん?弱気じゃないですか?」


 僕はここぞとばかりに煽った。


「たぶん今回はお前の勝ちだからな。安金掴んで満足するんだな」


 僕は『ベット』を選択すると獏さんは『フォールド』した。仮に僕も獏さんと同じ『チェック』を選択してターンとフロップまで捲られると獏さんに逆転される可能性がある為、『ベット』を選択したのだ。


 BBパウラ・クレイ

  →21450


  霧越真美

   →9450

 

  天久カミカ

   →9050 


  Dエドヴァルド

  →10450

  

  SB積飛獏

  →9600


 チップ数で勝ってはいるものの。負けた心地がする。というか全てを見透かされている気になった。


 ──僕は獏さんに勝てるのか?


 次のゲーム。アンティを支払いスコアが変動する。


 SBパウラ・クレイ

  →21150


 BB霧声麻未

   →8950

 

  天久カミカ

   →8950 


  エドヴァルド

  →10350

  

  D積飛獏

  →9500


─────────────────────


~田中カナタ視点~


「これ完全に獏はエド君のこと潰しに行ってるね。エド君はエド君でさっきのゲーム勝った気がしないんじゃないか?」


 詩音が割って入る。


「てか獏の奴、自分の身銭を切って他のプレイヤーを降ろさせるってちょっとヤバくない?頭イっちゃってない?」


「お前もそこそこイっちゃってるけどね……」


 次のゲーム。カミカさんが『コール』、エド君は『フォールド』で獏も『フォールド』を選択した。


「これもさ、エド君から見たらディーラーボタンを所持して有利な位置にいる獏が自分がフォールドしたから獏もフォールドを宣言したって思っても仕方がないよね。ぶっちゃけ、獏の手札が雑魚すぎて降りただけなのに」


「なんか全部獏のシナリオみたいでムカつきやすね」


 次にパウラちゃんが『コール』、最後に麻未さんが『チェック』。第一ベッティングラウンドが終了し、3枚のカードが場にオープンされる。


 パウラ   霧声    カミカ 

 ♥️8    ♣️6    ♦️K

 ♥️7    ♠️A    ♥️K


 

    ♣️8 ♠️8 ♦️A



「うぉぉぉぉぉぉ!!!全員熱い!!」

「パウラちゃん強すぎんだろ!!」


 パウラちゃんから第二ベッティングラウンドが始まる。パウラちゃんは宣言する。


『ベッドです!!』


 パウラ20150

 →800


 ベットがベッドに聞こえたが、聞き流して俺は実況の仕事をする。次は麻未さんの番だが、少し悩んでいるようだ。 


「無理もないわ、これ相手が8持ってて8のスリーカードの可能性あるからね…まぁ自分が持ってる振りしても良いんだけど……」


『コール』


 霧越8150

 →800


「いやぁ、そうしちゃうよなぁ!!」 


 次にカミカさんが言った。


『うわぁ、どうしよっ……ここは…コールマッカートニーで!!』


 天久カミカ7750

 →800


 向こうの卓でも、コールマッカートニーはスルーされたようだ。第三ベッティングラウンドが始まる。その前に4枚目が捲られる。


  パウラ   霧声    カミカ 

  ♥️8    ♣️6    ♦️K

  ♥️7    ♠️A    ♥️K


 

    ♣️8 ♠️8 ♦️A ♣️K


「きたぁぁぁ!!」


 パウラちゃんは『チェック』を選択した。


「これはうまいてだが、このままじゃカミカさんにやられてしまうぞ?」


 次の麻未さんはまた悩んでいる様子だ。


「このパウラちゃんのチェックで8のスリーカードの線が薄まったが、しかしこれは自分のチップを誘い出されているということに麻未さんは気付いているのか!?」


『ベット』


 霧越8150→7350

 →800

 

「しちゃうよな!そりゃするわ、誰でもする!!」


 麻未さんに続いてカミカさんが宣言する。


『これは、コールスミスです!』


 天久カミカ7750→6950

 →800


 またもやコール。最後にパウラちゃんもコールを宣言した。


『コールです!』


 パウラ20150→19350

 →800

 

 そしてラスト5枚目がオープンされる。


  パウラ   霧越    カミカ 

  ♥️8    ♣️6    ♦️K

  ♥️7    ♠️A    ♥️K


 

   ♣️8 ♠️8 ♦️A ♣️K ♦️8


「おおぉぉぉぉ!!!」

「だぁぁぁぁぁ!!!」

「わぁぁぁぁぁ!!!」


「フォーカードだぁぁぁ!!これは強い!強すぎる!!豪運天使!!その名に恥じない引きの強さ!!」


「これオールインきますかね?」


 詩音がそう質問するが、パウラちゃんは以外にも『ベット』を選択。


 パウラ19350→18550

 →800


 麻未さんもここは『コール』を選択。  


 霧声7350→6550

 →800


「カミカさんはベットしてもおかしくない手を持っているが……」


『コール』


 天久カミカ6950→6150

 →800

 

 プレイヤー達の手札がオープンされた。 


「さぁ、このゲーム初めてのショーダウン!!制したのはパウラ・クレイだぁぁ!!」


「いや、ショーダウンは俺のが最初だろ!!なかったことにすんなや!!」

  

 SBパウラ・クレイ

  →27450


 BB霧声麻未

   →6550

 

  天久カミカ

   →6150 


  エドヴァルド

  →10350

  

  D積飛獏

  →9500


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