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4話「旅の商人」



――エラ視点――



このところお義母様と妹のアルゾンは、ピリピリしています。


それというのも、近々お城で第二王子殿下の婚約者を決める夜会が開かれるからです。


屋敷に仕立て屋さんを呼んで布地を見ては「あれでもない、これでもない」と言って愚痴を漏らし、

同じように屋敷に宝石商を選んでアクセサリーを眺めては、「こんなものでは第二王子の心を射止められないわ」と言ってため息を漏らす。


お義母様もアルゾンもカリカリイライラしていて、二人からの八つ当たりが増えて困っています。


そんなある日、隣国から訪れた商人が大きな宝石の付いたアクセサリーを格安で売ってくれました。


お義母様が購入したのは大きなインペリアルトパーズのついた、イヤリングとネックレスでした。


インペリアルトパーズの色は義妹の髪の色と同じヌーディーピンク。


お義母様とアルゾンはいい買い物ができたと大喜び。


その次の日、伯爵家にまた隣国からの商人が訪れました。


帝国の一流デザイナーと名乗った商人は、帝国で流行っているという、最新のデザインのドレスと靴を見せてくれました。


王国では見たことのない洗練されたドレスと靴に、お義母様もアルゾンも目をキラキラと輝かせていました。


二人は何着かドレスと靴を購入し、満足そうな笑みを浮かべていました。


どうやら上質な品物がとても安く手に入ったみたいです。


アルゾンは買ったばかりのドレスを身につけ、「これで王子様の心を射止められるわ!」と鏡の前ではしゃいでいました。


そしてまた次の日、旅の商人が訪れました。


彼は豪華な四頭立ての馬車に乗って伯爵家を訪れ、「商売を辞めるからいらなくなった」と言って、若く毛艶の良い白い馬四頭と、豪華な馬車を置いていきました。


「ただで上等の馬車と馬が手に入った」と言って、お母様はニコニコしていました。


なんだか最近伯爵家には良い事が続いています。


良い事が立て続けに起こって怖いくらいです。





読んで下さりありがとうございます。

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