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18話「後日談①もしもエラが、ルドルフを選んでいたら」



――エラ視点―― 


 

【ルドルフ・エンド】


「ルドルフ様はユニコーンだったんですね」


目の前にいるのは光り輝く角を持つ真っ白なお馬さん。


これがルドルフ様の本当の姿だと言う。


白いネズミの姿も、人間の姿も、仮初めの姿に過ぎなかったようです。


「そうだよ。

 僕は光属性だから、闇属性のソルシエールとは相性が悪いんだ。

 だから三人で暮らすあの家では、本来の自分の姿に戻れなくてね。

 君とふたりきりになれたから、ようやく本来の姿に戻ることができたよ」


私はユニコーンの姿になった、ルドルフ様の顔なでなでした。


「ユニコーンの角には癒しの力があるんだ。

 だから光魔法を使ってエラの傷を癒やしてあげられたんだよ」


「水仕事で荒れた手を、ルドルフ様に癒していただいたとき、とても嬉しかったです」


私はルドルフ様と結婚して、天空のお城に住んでいます。


白亜のお城が雲の上に建っているのを見たときびっくりして、心臓が口から飛び出しそうになりました。


「エラにしてほしいことがあるんだけど、お願いしてもいいかな?」


「はい。私にできることならなんでもします」


「よかった。じゃあ膝枕してくれないかな?」


「膝枕ですか?

 そんなことでいいんですか?」


ルドルフ様が改まって言うのでどんなことかと思いました。


「僕たちユニコーンは清らかな乙女の膝に頭を乗せて眠ると、とても心地よく眠りにつけるんだ」


「分かりました。

 では、こちらに」


私が雲の上に座ると、ルドルフ様が私の膝の上に頭を乗せてきた。


「どうでしょうか?」


「うんすごく気持ちいいよ。

 とっても幸せな気分。

 ねえエマ、もう一つお願いしてもいい?

 ボクのたてがみを撫でてくれる?」


「こうですか」


ルドルフ様の真っ白いたてがみを優しく撫でる。

 

「うんすごく、気持ちいいよ。

 エラ、ありがとう」


毎日こんなふうに、雲の上でルドルフ様とのどかな時を過ごしている。


「エマがボクを選んでくれて良かった」


「ルドルフ様は、初めてできた私のお友達ですから」


父が亡くなったあとすぐ、私はお義母様に屋根裏部屋に部屋を住むように命じられた。


慣れない使用人の仕事でミスをして泣いていた私を、優しく励ましてくれたのはネズミの姿をしたルドルフ様でした。


「ルドルフ様に励ましていただかなければ、私はとても父との約束を果たせまんでした」


「ボクもエマに会えてよかった。

 可愛くて優しい子が、酷い仕打ちを受けて一人で泣いてるなんて耐えられないもん。

 エマの泣き顔を、日だまりのような笑顔に変えてあげたかったんだ」


ルドルフ様が人の姿に戻り、私の唇にそっと口づけをした。


「エラ、愛してるよ」


「私もです、ルドルフ様」


「二人で穏やかな時間を刻んでいこう」


「はい」










――ルドルフ編・終わり――





ルドルフとエラの新婚生活でした。


結婚後二人はルドルフ様の実家の天空のお城に移り住み、二人で毎日、ラブラブイチャイチャしてます。


最後まで読んで下さりありがとうございます。

少しでも面白いと思っていただけたら、広告の下にある【☆☆☆☆☆】で評価してもらえると嬉しいです。執筆の励みになります。



次のページはウォルフガン編。





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