エンド
文や漢字が少しおかしいですが
気にしないで見てくれると嬉しいです。
少し前に僕は君にプロポーズをした。
君は嬉しそうな顔をして「ウン」と返事をしてくれた。
その時撮った写真は今までで一番幸せそうな顔をしていた。
なのに今日君は僕に別れを切り出した。
「私たち別れよう?」
「なんで?」
「私もうあなたの事好きじゃないの」
「いつから?」
「あなたが私にプロポーズをした時から
正直あんな大勢の人たちが私たちの事を見てて
いいえなんて言える状況じゃなかったし」
「・・・」
「もういい?次予定あるんだよね」
そういって私は貴方を突き放した。
だけど貴方は
「どうしてそんな悲しい顔をして言うの?」と言った。
私は貴方と出会ってから嘘が下手になった。
純粋で何を言っても信じるあなたの傍にいると
不思議と心が正直になった。
私は私を変えてくれた貴方が大好きだった。
だけど、大好きだからこそ一緒にいたくなかった。
ずっと傍にいて一緒に年を重ねたいという欲が出でしまいそうだったから。
貴方のお嫁さんになって
貴方と同じ笑った顔が可愛い子供を作って
幸せに暮らしたい。
そんな叶わない夢が私の頭の中を埋め尽くして苦しくなった。
私は貴方と過ごせる時間が少ない。
そんな私でも貴方の隣にいていい?
そう自分の気持ちを正直に言えたら良かったのに。
「大っ嫌いなの、別れようって言ってるんだから素直にウンって言ってよ」
私は大好きな貴方を最後まで傷つけた。
悲しそうな顔を見たかったわけじゃないのに。
大好きな貴方の笑顔を見たかっただけなのに。
早く貴方の元から離れないといけなかった。
「ごめん、でも別れたくない。」
私は貴方の顔を見ずに
来た道とは反対の方向に走り出した。
あのまま貴方の顔を見ていたら
涙が止まらなくなって
何年もかかって決心した気持ちが揺らいで
貴方の元に戻ってしまいそうだったから。
あの出来事から数日後
私は病院のベットの上で無数の機械につながれて寝ている。
死ぬ準備をしてもう未練もないはずなのに
なぜか貴方のことで頭がいっぱいで、
私にプロポーズしてくれた時に撮った写真を箱から取り出して
目に焼き付けた。
「私はあの瞬間世界中の誰よりも幸せだったなー」
自然と笑みがこぼれた。
写真に写っている貴方の顔があまりにも幸せそうだったから。
なのに私はこの幸せそうな顔をぐちゃぐちゃにしてしまった。
”プロポーズをされたあの瞬間、私は嫌な気持ちになった”と
あなたを責めたから。
「ごめんなさい」
最後まで書くか悩んだ手紙も書く事にした。
もうこれ以上後悔したくなかった。
手紙が書き終わると急に眠気が襲ってきて、手から写真がスルりと落ちた。
目はだんだんぼやけ始めて、呼吸がしずらくなってきた。
死が迫ってきている事の恐怖を感じながら
私は大好きな貴方の笑顔を思い浮かべながら
意識を手放した。
僕が君の死を知ったのは彼女が死んでから数時間後だった。
彼女のお母さんから君が死んだと連絡が来た。
僕は急いで会社を早退して病院へ向かった。
病室に入るとお母さんが僕に手紙をくれた。
「茉友からよ。なにか飲み物でも買ってくるね」
「すみません。ありがとうございます」
僕は今起きている状況が信じられなった。
君の顔に白い布がかけられていたから。
僕は夢だと思いその布を取って君の顔を見た。
血色がなく安らかな顔だった。
僕は君の顔を見てただ涙を流して悲しむことしか出来なかった。
何時間が経っただろうか。
僕はまだ手紙を読む勇気がなかった。
見てしまったら何かを認める気がしたから。
だけどこのままじゃいけないと思い
僕はお母さんから貰った君の手紙を読むことにした。
『私には時間がなかった。
あと数日で死ぬ運命なのに
あなたといるとずっと生きたいと願ってしまいそうになった。
物凄く死ぬのが怖くなった。
だから離れたくなかったけど離れるしかなかった。
私は死を受け入れなきゃいけなったから。
だけど大好きな貴方を傷つけてしまった。ごめんなさい。
プロポーズをしてくれた瞬間、私は世界で一番幸せだった。
私に幸せをくれてありがとう。』
僕は君が苦し紛れについた嘘だと
君の手紙を読むまで気づく事が出来なかった。
帰り道、僕は君と過ごした日々を思い出していた。
ふと公園に目をやると見覚えのある景色だった。
あっ、あのベンチ。
僕たちが初めて映画デートをした帰りに、腰を掛けたベンチだった。
特徴的なベンチで一緒に笑いあったのを覚えている。
それと同時に僕は君と映画の感想を言い合ったのを思い出した。
僕「あの映画ほんとやばい。フィクションだけどリアルだったね」
君「実はあの映画ってフィクションじゃないらしいよ」
僕「えーーーー!!!」
君「びっくりした。」
僕「今めっちゃ鳥肌った!」
君「アハハハ」
僕「なんで笑ってるの?」
君「嘘だよ(笑)」
僕「え?どういう事?」
君「だからフィクションじゃないってことが嘘なの(笑)」
ウソがばれて
自分の正直な気持ちを伝えたとしても
ハッピーエンドではなかったと思います。