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追いかけて、追いかけて



チックタック

チックタック

チックタック


真っ赤な天井や絨毯。


チックタック

チックタック

チックタック


四方の鏡は全て鏡貼り。


チックタック

チックタック

チックタック


そんな部屋の真ん中に、大きな古びた鳩時計と人1人寝れる大きさのベッド。


チックタック

チックタック

チックタック


時計が時を刻む音だけが部屋に響く。


チックタック

チックタック

チックタック


古びた時計が刻む時間は何年の何月何日かは分からない。


チックタック

チックタック

チックタック


分かるのは、短い針が58分、長い針が11を指している事だけ。


チックタック

チックタック

チックタック


この時計とベッドを置いた人が言っていた、ベッドにいる子を起こしてはいけないよ。

この子は眠っていなきゃいけない子なんだ。

この子は時計の音が好きだから、時計が止まらなきゃ目覚めないよ、代々この時計と部屋は受け継いで行くから心配いらない。


チック

タック

…………


短い針と長い張りが12時をさした古時計の針の動く音は止まり、部屋には静寂が広がった。


「…よく、寝た」


時計の針が止まった部屋に、新しい音がする。


ガシャン

バキッ


時を刻んでいた古時計が、倒される音、壊される音が部屋に響く。


「時計が壊れたら僕は寝れない」


パリン


中から取り出された水晶玉のようなものを、起きたばかりの子は床に叩きつけた。


ガシャン

ガシャン


部屋の鏡が一斉に砕け散る音がする。

起きたばかりの子が言った


『僕を閉じ込めたこの世を許さない』


誰か時計を直してください。

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