プロローグ
二作目ですが、宜しくお願いします。
また、同時進行で書いている、
最果てのワールドリンカーも宜しくお願いします。https://ncode.syosetu.com/n7110fl/1/
プロローグ
とある町。
黒髪の青年が一人。
不敵な笑みを浮かべ、門をくぐる。
そして景色は世界は色を失う。
そして、青年の目線の先にはモノクロの世界が広がる。そして青年は言う。
「今日も死んでんでんな、此処は。」
そして、その世界で唯一の色が集まる場所へと門が開かれる。
「さぁて、今日はどんなものが見えるかな」
青年はそう言うと門をくぐった。
そして町が現れた。その町の名前は
『鎮魂歌』
全ての世界の終末を集めた町である。
この世界ではこの町での勝敗が全てであり絶対であると同時に、この世界のルールそのものなのだ。
この青年、月夜詩音はこの町では何かと名が通っている者である。
だが、その通り名は言う事すら禁忌とすら言われている。
彼は普段の生活では学生であるため、勉学に励んでいるが勝負事が好きで、それが原因で成績はかなり悪い。そのため、教師にはいつも叱られ、親には呆れている。
彼の両親はそこそこの会社を経営する夫婦だが何故か一度借金がないのだ。
しかも生活は豪勢なものでその収入は会社以外に何かなければ納得しない額なのだ。
そう、その収入源こそ青年のあの町での利益である。ただ、この事実はこの親は知らない。匿名で金が送られてきているため、それを使っているに過ぎない。
もしも青年の裏の顔を知ったら親は、感謝しかないだろう。だが、青年はそのような事は言わない。何故か、それはこれからこの親との勝負があるためである。
内容は青年の真実を明かす事と親の財産全てである。
勝負内容は『リアルカード』
ルールはカードに書かれた役に従って相手に精神的にダメージを与えるゲームである。
役は全てで二十四通りあるためその全てを予測して対処になければならない。
両親はこのゲームを何度かやっているため、経験があり余裕を見せている。
彼はこのゲームは初めてである、[こちら]側では。
[あちら]側では無敗を誇っている。だからだろう余裕とはこのようにするものだと言わんばかりの態度で臨む。
そして、勝負はたった数回で終わった。
そして彼の両親は破産し、絶望していた。
その後、両親はこう言い残したという、奴は絶望そのものであると。
彼はその時こう言い放ったという。
「お前達が俺に見せた絶望を緋色に染めて教えてやる。さぁ、絶望に染まれ!」
その時の彼の両目は眼鏡を外していたため見えてしまったのだ。緋色の目が。
そして彼は去る。此処には用は無いとばかりに。
そう、彼の鎮魂歌での通り名はそのやり方と目の色から、『緋焉』緋色の終焉という意味を込めて呼ばれ恐れられていた。
そう彼こそが世界の絶望を緋色に染める者だと。
プロローグend