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獣人とのお付き合い  作者: 四月 深欲
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店長と社長



「へーい明希っち、おっひさー♪」


とハイタッチをしかけてくる。

ニヤニヤしながら話しかけてくるのはこのコンビニの店長、佐切さんだった。

佐切さんはニヤニヤしながらこちらの挨拶待つ、ちなみにハイタッチも。

だが自分は、当然の如く目の前にいる存在を無視し目的の物を買いに行く。


「ち、ちょっとぉー明希っち酷くない?目の前にこんなナイスバディで美人なお姉さんがいるのに無視ってなくない?」


と言ったあと佐切さんは何を思ったか「でもそんなSっぽいのもいいかも」などと言い出し鼻息が荒くなってきた。

無視、してやりすごそうと思ったがこれ以上無視しても逆効果だと思い、不本意だが佐切さんの話に反応する。


「何ですか?」


と口にすると佐切さんは猛スピードで自分に接近し半ば飛びかかるように腰に抱きついてくる。

顔を埋め臭いを嗅ぎ、顔を擦り付けてくる。

その変態を振りほどこうと自分は全力で体を動かす。

が、必死に抵抗する変態。


「離せ変態!」


「よいではないかよいではないか」


20秒程の攻防の末、勝ったのは変態だった。

ガッツポーズを決める変態。

その横で自分は汗だくになりながら膝に手をつく、それを見た変態はこう言った。


「大丈夫?シャワー浴びてく?」


ウインクをしながら親指で後を指さす。

自分が嫌だと言おうとした直後、店内に怒声が響く。

それを聞いた佐切は冷や汗をかきながら急いで自分の後ろに隠れる。

その声の主がヒールの音を奏でながらゆっくりと歩み寄る。

近づいてきたのはスーツ姿に眼鏡をかけた、アニメに出てくる秘書のような女性だった。

その女性は左手の人差し指で眼鏡を直しながら自分に話にかける。


「すみません明希さん店長がまたご迷惑をかけてしまったようで」


と女性は謝る。

自分は申し訳なさそうに頭の後ろに手をやり返答する。


「いえいえ、有紀さんが謝ることじゃありませんよ。悪いのはこの変態ですから」


女性の名前は有紀、このコンビニの元締めの会社の社長だ、このコンビニの店長とは昔からの腐れ縁らしくたまにこうして抜き打ち点検もかねて会いにくるという。

有紀さんは自分に頭を下げたあと眉間にシワを寄せ、まるでゴミを見るような目でおとなしくなりぷるぷると肩を震わせる佐切さんの首根っこを掴む。

笑顔で「では」と自分に挨拶をした有紀さんは青ざめた顔の佐切さんを片手で引きずり奥の部屋へと消えてしまった。

断末魔が聞こえた気がしたが気のせいにして自分は目的の商品を取りに向かう。




結局その後、牛乳と昼飯のカップラーメン、ポテチにコーラを買って帰った。


ちなみにレジを担当したのは有紀さんだった。




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