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とっくに日にちを超えたその時
当たり前のように友達の原付の後ろに乗った。
最初は怖がって乗ろうともしなかった俺も今では平気になってしまったようだ。
「ぶぅぅぅぅん!」
原付のエンジンがかかる、まるでチェンソーの音そのものである。
「行くぞっ」
友達はそう言うと俺を乗せたたまの原付が走り出した。
初速から30kmが出た。これが法律では定められている、もちろん自転車を本気でこけばこの程度のスピードは出る。つまり皆こんなルールには従わないのだ。
「行っくぞぉ」
友達は楽しそうにスピードを上げた。とっくに50kmを超えた原付は夜の帳を猛スピードで駆け抜けた
「ふぅぅぅぅー!!」
思わず俺は声を上げた。仲間達も後ろをついてきた。
「お前も早く免許取れよ!」
「来年なれば車の免許取れるからいらねーんだよ」
こんな感じの会話を後ろのヤツと交わした。
「ぶぶぶぉんぶぉん!!」
勢いよく曲がりくねった道を猛スピードで急カーブした原付はそのままスピードを上げた
「待て待て!早すぎだって!スピード落とせ!」
俺はそう言い、80km近く出たところで一度スピードを落とさせた。
もちろんこんな時間であるから人はおろか車も自転車も何も通らない道路であり、さほど危険ではなかった。
「ん?雨降ってきたぞ」
町を1つ超えた辺りで急に大粒の雨が俺たちを歓迎してくれた。
「まじ冷てぇ、パーカー着てくればよかった」
「流石にこの寒さでTシャツいっちょはやばい笑」
「割と温度は暖かくね?笑笑」
そうこう言っているうちに自宅付近についた
「到着~」
そう言うと俺は原付から降りた。
友達は慣れた手つきで俺を下ろした原付を操縦させた。
「今日はありがとな!じゃ!おやすみ!」
俺らは解散し、皆自宅の方向に原付を走らせた
「毎日こんなに楽しければなぁ~」
そんな感じのことをボヤいた俺は1人なのに恥ずかしくなって小声でボソボソ言い訳をした。