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虚空の翼  作者: たてやん
回想
1/2

戻らないをものをただ追い続ける

五人の英雄と呼ばれた人達がいた。

彼らは皆祖国のために戦ったあるいは貢献したと口を揃えて言う。

だがそれは全てがそうではなかった。

彼らの中には勿論、国のために戦ったと言える人もいる。

でもその殆どは自分のために戦ったのだと思う。

あの忘れられない出来事から僕達は変わっていった。

この激動だった時代

それぞれの道を歩んでいった。

一見いい事をしたかのように思えるけど敵にも家族がいて事情があって色々ある。

そんな敵を国が戦争してるからという理由で殺したのではない。

あの若いときの自分をコントロールしてたのは復讐の二文字だった。今思い出すと無意味だったかもしれないと思うが実際同じ経験をしたならば同じ考えにたどり着く人は多いと思う。

狂ってたのは僕じゃなくて世界なのだろう。

そう信じて生きてきた。

戦争が終わり今では仲の良い国同士になると

自分がおかしかったとも思えてきた。

さて

他の四人はどう思ってるのだろうか

思い出話もここらへんにして

本題へ移ろうか


空は相変わらず地獄だった。

撃墜されていく機体はみな敵ばかかり。

灰色の機体が空中で爆砕して粉々に砕ける。

その火球の横を何事も無かったように通り過ぎる。

もう何機撃墜したのかもわからない。

今はもうどうでもいい。

復讐という二文字が原動力で戦っていたけども、その理由が無くなった今、自分は何のために敵と戦っているのだろうか?

最近の空戦では空戦中でもこのような冷めた思考ができてきた。

高度3000メートルまで上昇して空戦域を見渡す

眼下、1機の友軍機が2機の敵機に追われていた

機体をロールさせ操縦桿を引いた

機体は段々降下していく

坂落しから180°ロールして機体を水平にした。

直上の肉薄攻撃は攻撃のタイミングが少ないから嫌いだった。

敵にバレにくい利点はあるものの別に真後ろから攻撃しても敵はこちらに気づかないだろう。

その通りだった。

敵は追うのに必死でこちらのことに気づかない。

位置エネルギーで加速した機体は一瞬で敵との距離を縮めた。

照準器を覗き敵機を捉える

距離およそ150メートル

操縦桿についてある発射レバーを少し押した。

ドォンドォン!!2回の射撃音が聞こえオレンジ色の曳光弾が敵機に伸びてゆく。吸い込まれるように胴体に命中した

刹那、敵は発火して墜ちた

続いてもう一機にも勢いのまま肉薄した。

必死で回避を続けている友軍機は多分新人だろうか

実戦での逆転法を知らないのは気の毒と思いながらまた両翼の20ミリ機関砲が火を吹いた。

友軍機を追ってたもう一つの敵機も火球へと変わっていった。

追われていた友軍機の傍らに行き風貌を開けて敬礼をした。

すると友軍機の彼も敬礼とお辞儀を同時にしてきた。

なんて多着な奴だよと思いながら友軍機の彼を見て

懐かしいと思った。

友軍機の彼の顔が昔仲の良かったやつに似ていたからだろう。

あぁ俺が飛行機に乗った理由。

この戦争で戦った理由。

誰のために戦ったのか、何のために戦ったのか

そんな事を思い返してしまった。

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