プレゼントの代償
大幅に改変しました。
前より内容がわかりやすくなっていると思います。
「なんてクズ女だ」
俺と二人の男女が声をそろえて言った。 アンちゃんが逃げ出した後、俺と二人の男女はいまだ戦闘状態でいる。 この状況を打開する方法を必死で考えているのだが、さほど良い方法が思いつかない。 そして貴族の男がこちらに話しかけてくる。
「あなたもアンシェルト様に能力を与えられてしまったのですね」
あなたも? て、ことは他にもいるのだろうか?
「あなたもということはあんたも能力に支配されているのか?」
「私は能力に支配などされていませんよぉ ただ 今まであの人が支配してきた人々を見てきたことがあるだけですよ」
今までってことは、かなり多くの人間がアンちゃんの餌食になったというのか。 俺はその人たちを不憫に思いながら、考えていた。 こいつら、解除の方法知っているんじゃないのかと
「なあ、あんたたち」
「俺みたいに能力に支配された人間を見てきたなら、解き方も知っているんじゃないのか?」
「もちろん知っています。解いてあげますよ」
おっ、ありがたいことにすぐ解いてもらえるようだ。
「ありがとう、これでこれからも普通に生活ができる」
「じゃあ、解きますけど、後悔しないでくださいね」少し申し訳ないという表情をしている。
「今後ろで私と行動を共にしている女性がいるでしょう。彼女が持っている剣、聖剣リーリスっていうんですけど、それに斬られてもらえば良いですよ」
俺は「はぁあ!?」と声を荒らげてしまった。 確かに解呪などの方法だと、いろいろやり方があるのは知っている。 だが、もっと呪術的な解決方法ではないのか と考えたからである。 これだと、俺は、さんざん迷惑をかけられたにもかかわらず、痛い思いをしないといけなくなってしまう。
「ほかに方法はないのか」
「申し訳ないのですけど、ありません」男は俺に対し、心底申し訳なさそうに謝り、後退をした。
ちゃっかり剣を抜いていた女が、目の前に出てきて、俺の腕を斬り付ける。
「ごめんなさいね」と小さな声で彼女が呟き、甘い匂いが俺を通り抜け、後方へと去っていく。
だが、今はそんなことどうでもいい、軽く手から血が流れているだけにもかかわらず、とにかく痛い。
俺は「いてぇぇぇぇぇ」と叫びながらゴロゴロと周囲を転がる。
転がってどうにかなるわけでもないのだが、とにかく、痛いから転がり続けている。周囲のものが散乱し、皿やコップなどが落ちてきてぶつかるのだが、それとは比にならないほどの痛さである。
「なんでこんなにいたいんですかぁ」あまりの痛さに俺は一人称がおかしくなっていた。
そうすると女のほうが軽く説明を開始する。
「ごめんなさい 聖剣リーリスは、ある特徴的な能力解除方法をしています。その方法は、相手に痛みを与えることで能力に上書をするというものなんです。 かなり痛いと思いますが、我慢してください、短時間ですから」
なんだそれと思いながら、いまだゴロゴロ転がっている。
短時間って何分だよ どれぐらい痛い思いをすればいいんだよ。 ふざけんな。 などなど、俺は内心悪態をついていた。
5分ほど転がった後、痛みがなくなっているのに気が付き、転がるのをやめた。 さんざん悪態をついていたが……もちろん内心で。 確かに短時間で、後遺症のようなものも残っていない。 俺は、落ち着きを取り戻し、一言。
「とりあえず、ありがとう。でも、アンちゃんの管理はちゃんとしてくれ」と俺は今回の事象が起きた原因の管理体制に文句を言った。
「おっしゃる通りです、私たちの不手際でこのようなミスを起こしてしまい申し訳ありません」男は深々と頭を下げてきた。
「わかってもらえればそれで……」あれ、目の前がくらくらする。 俺はフラフラと歩きだし、そして、意識を失った。
夜も深くなり、目を覚ますと、二人の男女が心配そうにこちらを眺めている。
「あれ、俺は一体。 なんでベッドに?」この状況を理解できず、周囲を見渡す。 部屋中が散らかり、ものが散乱している。
「はぁー、良かったです。 ごめんなさい、腕を斬りつけたからの治療をしていなくて貧血で倒れたみたいです」女が心配そうに顔を覗き込み話しかける。
「じゃあ、俺は倒れていたのか、だからこんなことに」部屋の惨状を眺めながら呟いた。
「あー、えっとこれは医療道具を探したための弊害でして……」そっぽを向きながら彼女は説明した。
「ああ、いいよ。 俺を助けるために頑張ってくれたんだろ」俺は、彼女が原因で怪我をしたが、その事態も全て俺のためとわかっていたため、咎める気にはならなかった。
「そこのおっさんも、ありがとう。 ベッドに運んでくれたのはあんただろ」
後ろの方で、申し訳なさそうに眺めている男に対しても、感謝の気持ちを伝えた。
「いえいえ、お気になさらずに。 もとはと言えばこちらが原因ですので」相変わらず腰が低そうな言葉遣いである。
「目も覚めたようですし、治療も一通り行いましたので、では、私たちはこちらで失礼します」男の方が部屋を出ようとする。
俺は、その時咄嗟に、「あんたたち、今から帰ると大変じゃないのか?」と質問をした。
「大変ですが、まあどうにかなると思います」と男は疲れた顔つきで俺に話しかける。
「それなら、今日はうちに泊って行っていいぞ。 あんたらが原因とはいえ、解呪や看病をしてくれたあんたらを放り出したら、罰が当たる気がするし」我ながら悪い癖を出してしまった。 俺は困ってそうな人を見逃すことができないのだ。 今回はこの性格がすべての原因なのだが、まあ仕方ない。
「迷惑ではないのですか?」と女は心配そうにこちらを見てくる。
「元々アンちゃんを泊める気だったし、子供一人が大人二人に増えようが関係ないよ」
「なるほど、わかりました。私たちもこれからの移動は控えたかったところですし。ザヘル様もいいですよね」
「もちろん」
とりあえず泊まることになった二人は自己紹介を開始する。
まずは男の方から。
「私の名前はザヘルと言います。 本来、アンシェルト様の従者をしているのですが……現在は……。 イーナスとともにアンシェルト様探しをしています」疲れた顔でザヘルは自己紹介をする。 なぜこんなに疲れた顔をしているのだろう?
次は女の番だ。正直ザヘルよりも女性である彼女の方が興味がある。理由なんて……男なら当然のことだろう。
「私の名前はイナースと言います ザヘル様とは違い、アンシェルト様の監視役として魔術機関から派遣された監視官です 知っ……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ、今魔術機関と言ったよな?」俺はかなり驚き、会話を遮ってしまった。
「魔術機関って……あの?」疑問形で質問をする俺に対し
「はい」清々しいほどわかりやすい返事をしてくれる。 同時にものすごい笑顔。 そして漂う甘い雰囲気
魔術機関に勤めているイーナスからすれば、大した問題ではないのかもしれないが、俺みたいな貧乏商人には大問題である。 魔術機関とは、この国において最も力のある機関だからだ。 業務は多岐にわたり、魔法道具の流通、異能力者、魔術師の監視、犯罪抑止、管理などである。 大きい都市には支部があり、若い人から大人まで入ってしまえば一生安泰の安定職でもあり、人生の勝ち組のようなものだ。 そして何よりの問題はここから。 噂レベルだが、魔法道具販売店の質、量、店主の魔法道具を売るにふさわしいかなどの人間性などなど、調査しているとか、していないとか、俺が興味を持ったのは、魔法店の調査についてである。
俺は、正直なことを確認してみた。
「い、イーナス、いや、イーナスさん、イーナス様、俺、いやわたくしの店は魔術機関的にどうですか?」
イーナスは首をかしげながら、こちらを見てくる。 俺はと言うと冷や汗をかきながら質問をしているため、早く答えてほしかった。 その質問の意図を理解していないイーナスは神妙な表情をし俺を見る。 このかみ合っていない状況を打破したのはザヘルだった。
「イーナスちょっとこっちへ」と呼び、こそこそ話をする。 俺はその状況が逆に怖くて汗がだらだらと出ている。
イーナスがこちらに近づき、一言。
「私はその担当ではありませよ」ニコニコ語りだす。
俺はその言葉を聞き、安心し、思いついたようにイーナスに頼み込んだ。
「もしも、魔術機関の魔法道具店調査をしている知り合いがいるなら口添えをしてもらえると嬉しいのですけど」
イーナスは少し考えたように下を見つめ、俺の提案について「承諾はできませんが、できる限り善処しますね」とさっきからずっと行っている笑顔で返事する。 最初はニコニコ優しそうと思っていたが、徐々に怖くなて来たのはなんでだろう。 そして、イーナスが話出すと場がどことなく甘ったるくなるのも疑問である。 まあ、いいか。
「それでは本題に戻りますね」とイーナスが会話を修正しだす。
「知っての通り、私たちはアンシェルト様の後を追い、確保することを目的としています。ついでにですが、アンシェルト様を追う理由はむやみに能力者を増やさないためです。あと、実はアンシェルト様が何か秘密裏にやっている兆候を察知して」真面目な話をしているのに、また感じる甘い雰囲気。
それはそうと、俺は秘密裏と言うワードに興味を惹かれ確認する。
「秘密裏って言っているが結局何を行っているか、わかっているのか?」
質問に対し、イーナスは「それが、組織的な物を作っているらしくて、まあ、詳しい事情は上層部からも教えられていません。あくまで私はアンシェルト様の監視がメインですので」と言う。
一通り、イーナスの自己紹介が終わると俺の番になった。
「俺はカナルだ。一応魔法道具の店を経営しているのだが、儲かっていない。こんな町はずれにあるから察してほしい。一応、魔法道具職人見習いもしているが、実力はまだまだだ。魔法道具の知識はそれなりにあるから、質問があったら聞いてほしい。二人には世話にもなったし、もしも魔法道具を買いたいときは俺の店に来てくれれば、値引きするよ」
このまま、終了と思ったのだが、質問が飛んでくる。
「アンシェルト様が持っていた魔法道具は何ですか?」イーナスの質問だった。 もっともな質問だ。 自分たちが追っている対象が危険な魔法道具を持っているかもしれないからだ。
「あれは、広範囲に声を響かせる魔法道具だ 割と売れ筋だから、盗まれて悔しい。そのうえ高価なものだから俺の店からしたら大赤字だ。ふざけやがって」俺は憎々しげに下を向いていると、ザヘルが一言。
「申し訳ありません、我が主ながらお恥ずかしい限りです」 心底疲れて謝罪する彼は、きっといつもしりぬぐいをしているのだろうと、気の毒と思った。
そんなこんなで、談話を続けていると、夜も更けていった。
次の日、俺は朝食の準備をしていると、イーナスが「私が作りますよ」とキッチンに入ってきた。 彼女は基本的に親切心があり、いい子である。 だが、俺はここで考えを入れ替えるはめになる。
キッチンに入ったイーナスはすごい手際で、料理を作っていく。 俺の家にあるキッチン用具フル活用だ。 そして料理が俺たちが座る机に出される。
「まずは、前菜です」イーナスはニコニコした顔を一向に変えずに俺たちに料理をふるまう。 前菜? 朝食で? と思ったがとりあえず食ってみる。
「おいしそうだ。 いただくよ」俺はイーナスに軽く挨拶して食べ始める。 これはうまい。 とにかくうまい。 今まで俺が作る男料理ばかりだったため、こんなにおいしい料理は初めてだ。
一通り食べ終わるタイミングで次は「サラダです。どうぞお召し上がりください」とイーナスはまたテーブルに運んでくる。 やはりうまい。 変わらずイーナスはニコニコしている。
そこからもコース料理の数々が運ばれてくる。 それを俺とザヘルはすべて食い終わり、イーナスに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えた。 感謝の気持ちを聞くと、イーナスの表情は先ほどと変わらずニコニコだが、今まで以上に甘いい雰囲気が漂う。 彼女はとにかく感謝されるのが好きらしい。
食事をひと段落終わらせると、「じゃあ、イーナスの食事は俺が作ってやるよ」と提案したが、
「大丈夫です。 先に食べましたので」と俺を気遣ってくれる。
「そうか、じゃあ、休んでてくれ」と俺は彼女に提案し、片づけを始めようとすると、「それも私がやります」とイーナスは言った。
「そうかぁ、じゃあ、お言葉に甘えて」俺は少しの罪悪感を残しながら彼女に片づけを頼んだ。 やることがなくなった俺は、仕方なく部屋の片づけを始めようとした。 だが、周囲を見るとすべて片付いている。 どういう訳か理解できない俺はイーナスに質問した。
「なんで、部屋が片付いているんだ?」俺は質問の答えがどことなくわかっていたが、好奇心に勝つことができなかった。
「私が片づけておきました。 前よりもきれいになっていると思いますよ」笑顔でニコニコ、甘い雰囲気は変わらずに彼女が言う。
そして、とどめの一言。
「ザヘル様のサーベル研いどきましたよ。 あと、ガントレット、脚装も磨いておきました」イーナスはニコニコしながら一言。
「毎度のことながら、ありがとうございます」ザヘルは申し訳なさそうにお礼を言う。 その言葉にイーナスは、ニコニコ、そして甘い雰囲気。
なんとなくイーナスのことが分かった。 彼女とにかく甘い人だ。 人をとにかく甘やかし、堕落させる。 そのタイミングで疑問に思わないと、彼女の甘さから逃れられなくなる。
軽く恐怖を覚えた俺は、彼女に頼りすぎないようにしようと心に誓った。
イーナスが食器の片づけをしてくれている間、やることがなくなった俺は質問をする。
「昨日は聞き忘れたけど、アンちゃん・・・アンシェルトって何者なんだ」
俺は割と重要だが、放置していた質問をザヘルに確認した。
「アンシェルト様はこの世界が作られる前からいた古き民の一人です」
「古き民? 古き民ってなんだ?」わからないワードに俺は困惑するのだが、親切にザヘルは説明してくれる。
「申し訳ありませんね。一般的な方ならば知る由もない情報です。古き民とは、言ってしまえばこの世界が構成される前に存在している特殊な種族のことです。基本的にほぼ無限に近い生命力を持ち、永遠を生きるといわれていますねぇ。今確認されている古き民は10人程いると言われていますが、正確には不明です。そのどれもがある特性を持っていると言われています。かなり異質な能力です」
「異質?」異質、他とは異なるってことだよな?
「そう異質なんです」ザヘルはうなずきながら言葉を繰り返す。
「アンシェルト様の能力付与もですが 有名な方だと、魔力の根源を断つとか、なんでも混ぜるとか、とかとにかく異質なんですよ」
「で・・・例はこれぐらいにして、アンシェルト様の能力はと言いますと、相手へのプレゼント(能力付与)をしたんだからお礼を寄こしなさい(命令させなさい)といったニュアンスの能力です」
確かにそんな感じだなと俺は一人納得していたのだが、もっと新しい情報を欲し、細かく説明を要求する。
「その話は、アンちゃんが少ししてくれたし、より詳しく説明してくれないか?」
その言葉に対し「私たちにもよくわからないんです」ザヘルは申し訳なさそうに困り顔。
「実のところはアンシェルト様も理解をしていないらしくて実際は曖昧なんですよ。でも、唯一完璧にわかっていることがあります。それは、アンシェルト様の能力付与はランダムということなんですよ」
「なんだそれ」俺は一言。だってそうだろう。 よくわからないのに能力を他人に与えて、お礼に自由を奪うなんてとんでも能力にもほどがある。
「申し訳ないのですがそれが事実ですよ」
よくよく考えてみると、二つの異能が良く共存をしているとも思え、なるほどと納得してしまった。 ただランダムに能力を付与するだけだと、場合によっては自身を滅ぼしかねない。 そのための、命令を聞かせる能力で、身を守れるようにしているということだ。
「ご都合主義の能力だな……それは」
「はい、ご都合主義でして、毎回その火消し役が私とイーナスになっています」疲れたように一言。
「そういえば、二人はこの後、どうするんだ。これから二人はアンちゃんを追ってまた移動をするのか」
質問の回答を答えてくれたのはザヘルの方だった。
「そうですね、でも、その前に、首都のマナルスに行ってカナルさんの能力を登録しないといけません」
「あれ、このパターンは俺も行動を共にする必要がある感じではないか? 待ってくれ、店もあるし、いきなり連れていかれても困るんだが」俺は首都には行きたくない理由があった。 店を離れられないというのは口実で実際のところ、道中に出るかもしれない魔物がとにかく怖かったのだ。
子供の頃、親父の付き添いで首都へ仕入れに行ったとき、魔物に生きながら食われている子供を見てしまったのがトラウマになってしまった。 それ以来俺は、魔物が基本来ない村のこの店から出ないようにしている。 まあ、少しは仕入れのために遠出をすることもあるが、それでも、近くの村に行くぐらい。
「大丈夫です。大体3日ほど店を閉めてもらうだけです」俺の本当の理由など知らず、ザヘルは話を進めようとする。
「3日閉めただけでも利益は減るんだ。それに、家の片づけもあるし。ほかにも窓ガラスの修理とか……。他にも、えーと、えーっと そうそう、魔法道具作成の鍛錬もあるし……」とにかく必死の俺は適当な理由を並べる。
ザヘルは困り顔で「でも、来てもらわないと、規則違反になりますし」とこちらを見つめる。
困っているところ、申し訳ないが俺としても断固として拒否したい。
ザヘルはそんな俺の態度を見て溜息をつきサーベルの鞘を俺に向けてくる。
「正直、この手は使いたくなかったんですけど。異能が付いた人間を見逃すと後で大変なことになるので」今までの申し訳なさそうな顔とは違い、ザヘルの顔が少し寂しそうに見えたのが印象的だった。
そんな二人の対峙を見たイーナスはザヘルのサーベルをそっと下げさせ俺に近寄ってくる。
「道の心配なら大丈夫ですよ。なるべく安全な道を選びます。もしも何かあった場合も絶対守りますから」とイーナスは優しい声で語り掛ける。 さっきから伝わってくる甘い雰囲気ではあるが、その雰囲気がとても心地よかった。
だが、同時に俺自身が情けなくて仕方なかった。 彼女はきっと俺より年下だ。 そんな年長者の俺が臆病風に吹かれ、彼女はこの状況で俺を守ってくれると言う。 こんな惨めなことはそうそうないだろう。 このままじゃ、俺は決して変わることができない。 いつまでたっても田舎から出れない。 店も繁盛させることはできない。 じゃあ、どうすればいい? まずは彼女たちについていき、俺自身を鍛えよう。
その瞬間俺は、覚悟を決めたように、イーナス、ザヘルに向かって「わかった。首都までついていくよ」と言放った。 二人は俺を見ながら、優しく向かい入れるように笑顔を向けてくれた。
俺と二人は首都へと旅立った。