頭から離れない〔独り言〕
先に謝っておきます。
くだらない呟きなのです。ごめんなさい!
それは、少し昔のお話
艶やかな黒髪のおかっぱ頭を揺らして、
草だらけの農道を楽しそうにシロツメクサの花を摘み、
首飾りを編みながら少女は一人遊んでいた。
もう二、三本で首飾りが完成という時に、
少女の顔が苦痛に歪んだ。
少女は路肩に生える草むらに消え、暫くして農道に戻って来た時には
苦悶の表情は消え
少女からはシロツメクサの花の香りではなく、異臭がしていた。
少女が草むらに消えた短時間に一体何があったのか?
謎は深まるばかりである。
しかし、誰かが見ていたのだ。
少女をからかう歌が広まったことで謎は解け、また新たな謎が生まれた。
家まで我慢が出来なかったのは分かる。
農道も昔は草だらけで、路肩の草むらに入りこめば用は足せたからね。
拭くものがなければ、拭かなきゃよかったのに……
まあ、そこは良しとして、
しかし、次だよ次! なぜ食ったんだ?
もったいないって?
何がだ? 未消化のトウモロコシでも入っていたのか?
それとも昨晩、A5ランクの高級和牛でも食ったのか?
頼む!下校途中の小学生よ!
そんなに明るい声で少女の歌を歌わないでくれ! もう3日その歌が頭から離れないんだ!
少女だって、そうしなければならない、のっぴきならない事情があったかもしれないじゃないか?
その歌は傑作だ、幼児から年寄まで、
一回聞いただけで、次からは歌えるという優れものなのだ。
インパクトを与える予想外の展開という意味でも素晴らしい作品なのだ。
だから、耳について離れない!
誰か、助けてーーー!!
みっちゃんが、頭から離れない!
それでは皆さん、ご一緒にご唱和下さい。
みっちゃん みちみち うんこ たれて
かみーがないから てでふいて
もったいないから たべちゃった
今日もまた、下校途中の小学生が歌う……
あなたも謎を解くまで、この歌が頭から離れないでしょう。