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夏生詩集

ツンツンみかん

作者: 夏生

とっても甘いと書いてあったから、買ってきた

彼はみかん好きの私に誇らしげに

大きなすだちのようなみかんをくれた


我慢できなくて待ちきれなくて摘んじゃいましたって

どこかに書いてない?


甘くないって、これは


親指をみかんの頭に食いこませ、よっこいしょと皮を剥く

ほら、固いよ

ツンツンした匂い、体ばっかり育った中学生みたい


ひと房ちぎって、口の中へぽんと入れた

過保護な房から飛び出たツンツンみかん


これが甘いっていうんでしょ?


違う、違うよ

これは酸っぱいっていうの


甘いって教わったよ、本当だよ


ツンツンみかんは自分が甘いと譲らない




どう?甘いでしょ?


彼がうれしそうに聞いてくる


ひと房、彼の口の中へポンと入れた



彼は神妙な顔をして、ひとつ頷いた


色のわりには甘いね、このみかん


えっ





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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは。読ませて頂きました。 とても微笑ましい情景が浮かんで、思わず顔が綻んでしまいました。 みかんの芳香が漂うような甘酸っぱい作品ですね。 ありがとうございました。
2013/10/01 16:07 退会済み
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