表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

7日目

勇者の日記


モンスターとの戦闘にも大分馴れてきた。2日目に散々苦労して倒したゴブリンも楽に倒せるようになったし、僕は確実に強くなっているようだ。でも、不思議なことに僕がモンスターからダメージをくらった後、気が付くと戦っていたモンスターはいつも死んでいる。僧侶さんがいうには全部僕の力らしい。実感がないし、納得も出来ないが僧侶さんがそういうのだからきっとそうなのだろう。最近気づいたのだが、魔法使いはモンスターとの戦闘になるたびに涙目になって震えている。普通の人ならモンスターに恐怖して震えていると思うだろう。でも、親友の僕にはわかる。魔法使いはモンスターが死ぬのを悲しんでいるのだ。僕の親友は誰よりも優しい奴だから。例えモンスターといえども生き物が死ぬのが嫌なのだろう。今日もモンスターの死を悲しんでいた親友の背中に僧侶さんが優しく両手を置き、慰めの言葉をかけていた。親友のいい所を再確認できたとてもいい日だった。魔法使いという親友がいることを僕は誇りに思う。




魔法使いの日記


今日も勇者に攻撃をくらわせたモンスターは僧侶が光速で投げる石や木の枝によって殺されている。石や木の枝でモンスターを殺すとか化け物かよ…。僧侶ってもしかしたら魔王より強いんじゃねえのと最近思うようになった。僧侶の奇行を見て以来、パーティーから追い出すために何度か勇者にチクろうとしたのだが、その度に殺気を感じるので最近では諦めている。そのせいで化け物に目をつけられてしまい、モンスターとの戦闘の度に骨が砕けんばかりの力で両肩を掴まれ、耳元で「てめぇ~、勇者君に余計なこと言ったらどうなるかわかってんだろうな?」とか「あのモンスターあっさり死んだな。お前の死に様もあんな感じなのかね~」とか囁かれてしまっては泣いてしまうのも仕方がないことだろう。オッサンは俺同様、僧侶を見て震えていた。多分、オッサンも僧侶に脅されているのだろう。同じ僧侶の被害者という意味で、俺とオッサンは多分同じだからガンバローぜと労いの言葉をかけておいた。




僧侶の日記


最近、勇者君にまとわりつく害虫その1がうざったい。本当は殺したいのだが、勇者君は害虫1のことを親友だと錯覚しているようなので勇者君のために我慢している。害虫のようなどうでもいい存在にも優しくするなんて勇者君は優しいな~。そんなところも大好き!でも、勇者君に余計なことをいわないように害虫1には釘を刺しておく。最近では誠意をこめた説得を繰り返したせいか害虫が勇者君に余計なことをいう気配はない。しかし、私も丸くなったものだ。害虫の体にさわり声をかけるなんて昔の私なら考えられない。昔なら問答無用で殺している。恋が女を変えるというのは本当のようだ。こんな風に優しくなれたのも全部勇者君のおかげだ。勇者君、愛してるぞっ!!!




戦士の日記


あの夜以来、勇者の下着を僧侶に奪われるという悪夢が頭の中から離れない。だいたい、なぜ女というこの世界でもっともいらない生き物がパーティーにいるのだ。女は私の視界にはいるな!!だが、僧侶は異常な戦闘力を持っている。悔しいが、私の実力では手も足もでない。かといって私の怒りがおさまるわけではなく、せいぜい戦闘中に背後から睨みつけることしか出来ない。今日もモンスターとの戦闘中に僧侶を睨みつけ、怒りのあまり震えていると魔法使いが衝撃の言葉をかけてきた。まさかのカミングアウト!!なぜこのタイミングで!?ひょっとして今晩一緒に寝ようと私を誘っているのか!?魔法使いが私と同じガチホモだということは確認できた。しかし、そもそもこのパーティーに入ったのは勇者を抱くためだ。それに多分、魔法使いは攻めだ。私は攻められるのは馴れていないし、初志貫徹を貫くべきだろうか…。悩む。ああ、勇者よ!君と魔法使いの間で心が揺れる優柔不断な私を許しておくれ…。









パーティーメンバーの年齢


勇者 16歳


魔法使い 16歳


僧侶 21歳


戦士 35歳

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ