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追及(序)
オレは、大学の丘で、一人の女を待っていた。
知る人ぞ知る、告白の名所。海が見えるあの丘で、一人の女を待っていた。
きてくれるだろうか?
オレの心は、くるに違いない、きっとこないの真っ二つに割れていた。
ハーフアンドハーフ。まさに今の状況そのもの。
ついでに言うと、今からオレがぶつける言葉に、彼女が答えてくれるかどうかも、オレの中ではハーフアンドハーフ。
つまり、今のオレの予想では、事態がオレの想定どおりに進む確立はハーフのハーフで25%。我ながら大博打である。
でも、オレは、どうしても聞かなければ気がすまなかった。
丘の向こうから、一人の女性が見える。
…待ち人と来たり。
ここでオレの賭けの半分は終わった。
そしてここからが本当の勝負。
「愛の告白という雰囲気ではなさそうですね」
そういって彼女は笑った。