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法呪解仙~下っ端官吏のはずが、死刑囚の監視人になりました!?~  作者: 瀬川香夜子


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十八話



 居住区域だという三人が訪れている棟の内装は、外装の華々しさよりはずいぶん落ち着いたものだった。

 真っ赤な染色もされておらず、柱や床は木造のありのままの姿をさらけ出している。


(さすがに四六時中あんな派手じゃ落ち着けないわよね)


 ただでさえやれ潜入捜査だ妓女になるだと慣れないことばかりで緊張続きだった。ほっとひと息つけるところがあるというのは嬉しいものだ。

 部屋は基本的に二人で一部屋だという。ちょうど空室があるから姉妹二人で使って良いわよと翠嵐は自分事のように嬉しそうに教えてくれる。

 こっそり教えてくれた颯天によると、ほかの妓楼じゃ一部屋にもっと人が詰め込まれているのは当然で、これはずいぶんな好待遇なんだという。

 たしかに部屋は宿のものより一回り小さいほどだが、すでに戸棚や鏡台など必要な家具は揃っているし空室でも掃除は行き届いていて綺麗なものだ。


「あれ~? 翠嵐、その子たちどうしたの?」

「新しく入った子たちよ。姉妹なんですって」


 廊下の向こうから数人の女性がぞろぞろとやって来た。みんな風呂上がりらしい。簡素な寝衣に身を包んで濡れた長髪を器用に巻き上げている。

 これから仕事という雰囲気でもないので、彼女たちは今日は店に出ないのだろう。

 翠嵐は端に寄って背後の燈霞たちを紹介する。ぺこりと頭を下げると珍しいものでも見るように囲まれてしまった。


「今は人数揃ってるのに新入りなんて珍しいわねえ」

「でも二人とも若いし綺麗ねえ。姉妹で売りに出すなんてよっぽどお金が必要だったのかしら」

「まあ旦那さんは比翼に追いつくって張り切ってるから一発賭けに出たのかもね」


 まじまじと見られながらあっちからもこっちからも言葉が飛び交う。

 答えようにも燈霞が口を挟む暇もなく彼女たちは各々好き勝手喋っている。もう途中からは答えることは諦めた。


「みなさんだってすっごく綺麗ですよぉ。颯美ちょっと自信なくなっちゃいました」


 しゅんとした様子で上手く割り込んだ颯天に視線も言葉も集中する。その隙に燈霞はしれっと輪から抜け出して一歩引いて見ていた翠嵐に並んだ。

 颯天は上手いもので、励まされながらおだて返して可愛がられている。妓楼巡りをしていた頃もああやって人の懐に入り込んでいたのだろうことが容易に想像出来た。


「やだ。そういえばこの子颯天に似てない?」

「確かにそっくり……うそ、もしかして妹さんとか?」

「イイエ~。私にはオネエチャンだけです~」


 一転して棒読みの片言が聞こえてくる。翠嵐で学んだだろうにどうして同じ轍を踏むのだろう。

 ぎこちない動きで視線を寄越されるが、さっきまで可愛がられてご満悦顔だったではないか。出しゃばったのは自分なのだから困ったときだけ頼らないでほしいものだ。

 妓女たちには颯天の言葉なんて聞こえていなかったみたいで、彼女たちは各々「ここが似てる」「あれが似てる」だとか好き勝手に、しかもさっきより興奮した様子で捲し立てていた。


「颯天て人は、ずいぶん好かれてたんですねえ」


 感心……というよりは呆れてしまう。

 翠嵐は妓女たちがはしゃぐ様子を苦笑して見守っていた。


「颯天は綺麗な子だったし、なにより女の子たちに優しかったから人気だったのよ。とくに風蓮(ふうれん)なんかはちょっと心配になるぐらい入れ込んでてね……案の定颯天が来なくなってから食事もしなくなってやつれちゃって」

「そこまでですか……?」

「ここにいたんじゃ自分からは会いに行けないからね。閉鎖的なところだし、一度気を許すと過度に執着しちゃう子が多いのよ」

「えーっと……その子は、いまは?」


 そこまで執着している風蓮とやらが今の颯天を見たらどう思うか。面倒事の気配に恐る恐る訊くと、そんな燈霞を安心させるように翠嵐が笑って答えた。


「まだ借金が残ってたんだけど、あんまりに衰弱しちゃってたから旦那さんが帳消しにしてくれたのよ。療養しなさいって少しの金銭と一緒に店から解放してあげたんだけどねえ……」


 思うことがあるように翡翠の瞳が伏せられた。

 件の女がここにはもういないと聞いた燈霞は幾分か肩の力を抜いて訊ね返す。


「なにか問題が?」

「――あの子、まだこの街で働いてるの」

「え……ほかの店に行ったってことですか?」


 妓女をやめられる絶好の機会だったのに?

 妓女という職につく女性の中でも金銭にまつわる要因を持つ者は多い。つまり楼主は一種の金貸しであって妓女はその返済者だ。

 その返済が済むまで彼女たちはここから出て行くことは叶わない。そして、それが叶う者はあまりに少ない。

 なのに風蓮はその絶好の機会を逃したというのだ。


「小さい頃から店にいたから、ここ以外の働き方を知らなかったのかも……今は別の店で元気にしてるみたいだからいいけれど」

「仲が良かったんですか?」


 穏やかな表情の翠嵐は心底彼女の健勝を祝福しているようだったので、つい訊ねていた。けれど予想と反し、翠嵐は残念そうに首を振った。


「私はあの子に嫌われていたから……でも、小さい頃から知ってるから妹みたいで心配なの」

「翠嵐さんはここ長いんでしたっけ」

「そうよ。私は孤児でね。捨てられて道ばたで死ぬはずだったのを旦那さんに救ってもらったのよ」


 それじゃあ物心つく頃にはこの妓楼にいたということか。楼主が、翠嵐がここでの暮らしに一番詳しいと言っていた意味が分かった。


(それだけ長くいるのに、どうして床でのことは別の教育係にするんだ……?)


 これだけの美貌に柔らかな物腰、そして話をすればわかるが彼女は知性も品性も備わっている。ここまで持ち得ていて、むしろ閨での技量だけがないなんてことはあるだろうか。

 下世話な考えが過って慌てて頭からはじき出した。

 颯天は変わらず妓女たちにもみくちゃにされていて、そろそろ助け船をだしてやろうかと思い始めたころ。


「ちょっと! いつまでもうるさいわよ!」


 一つの部屋から女性の怒声が響いた。全員の目がその部屋に向かう。

 部屋からは頬に小さなそばかすを散らした可愛らしい女性がつり上がった眼でぬっと現れた。


「新人だからってなんなの? こっちは短い休憩で一休みしてるっていうのにずっとはしゃいだ声を出しててうるさいったらないわ」


 と、彼女の瞳が翠嵐を見た。ふと皮肉げに口許が歪む。


「ああ、翠嵐姉さんだったんですか。そりゃ姉さんは床に入んないから私たちがどれだけ疲れてるかなんて想像出来ないですよね」

「ちょっと香鳴(こうめい)。翠嵐は関係ないでしょ。私たちがはしゃいでたんだからこっちに言いなさいよ」

「ああ、姉さんたちも今日はお休みだから元気ですねえ。私はこれから客が来るんでちょっとでも静かに休んでおきたいんです。気にしていただけると嬉しいですわ」


 言い捨てて香鳴は部屋に戻っていった。


「なーにがこれから客が来る、よ。あの子だって休みなんだから断われば良いのよ」

「そうそう。それなのに売り上げ欲しさにあの迷惑客を断りもせずいるんだから半分は自業自得よ」

「あの客、香鳴がなんでも言うこと聞くから最近さらに面倒になってるらしいわよ」


 途端、妓女たちの顔がげっと苦くなる。


「やだあ……それでこっちまで被害もらったらたまったもんじゃないわ」

「旦那さんもそろそろ見切りつけて欲しいわねえ」

「香鳴は自分付きの客が少ないし、大金をはたいてくれるのがあれしかいないから必死なのよ」


 あれだけ颯天にきゃぴきゃぴとはしゃいでいた妓女たちはみんな顔をしかめて悪態をついた。

 よほど香鳴とその客にたいして不満がたまっているらしい。

 くどくどと続く妓女たちの愚痴から逃げるように颯天がやってきた。燈霞の袖をちょこんと握って隠れるようになる。


「こわあ……」


 怯えた目は悪態を続ける妓女たちに向けられている。


(それにしてもあの子、翠嵐見た途端に目の色変えてた)


 まるで仇でも見るような昏い光りの灯った目だ。短い時間ではあるが翠嵐の人となりはなんとなく察するものがある。あんなふうに嫌われるような人ではないと思うのだが。


「翠嵐さん、こんなこと訊いていいのか分からないんですけど……なんで翠嵐さんは床に入らないんですか?」


 美しい翠嵐は困った顔をしても美しい。


「それはね……私の時間を買い占めている人がいるからなのよ」

「買い占め……?」


 まず妓楼では聞かないだろう言葉に驚く。どんなにしたくたって金銭の問題で出来るわけがないのだ。


「会ったことはないんだけれど、突然旦那さんの元にやって来て私の時間を買うって持ちかけた人がいてね。接待につくのはいいけれど、誰かと床に入ることだけはダメだって」

「……それ、いつの頃からですか?」


 恐る恐る訊いてしまう。良心的なところであれば初めて客と寝所に入るのは十代半ばが妥当だろう。ということは、少なくとも十年以上は前からということだ。


「たしか私が七つの頃だったかしら」


 想像していたよりもうんと若かった。その客は下手したら二十年は翠嵐の時間を買い続けていることになる。


「そこまでするならいっそ身請けしたほうが安い気もしますけど……」

「そうね。旦那さんも気が咎めて身請けを申し出たそうだけど、自分の手元に置く気はないんですって」

「手元に置く気はないのに買い占めるんですか……?」


 なんだそりゃと声が出そうになる。

 いや、そもそもこの話は最初からおかしいことだらけだ。だって翠嵐はその客と会ったこともないと言うんだから。

 金持ちの道楽の一種かと、燈霞は無理矢理納得した。


(まあほかの人からすれば寝所に入らないで大金もらってる翠嵐さんは楽してるように見えるのかな)


 要は羨ましいのだろう。風蓮に嫌われていると言ったのも、これが要因なのかもしれない。

 ひとしきり悪態つき終えた妓女たいささかスッキリした顔で自分の部屋に戻っていった。翠嵐も案内を再開させようとしたが、ふと颯天が部屋の奥を指さした。


「翠嵐さん、あの奥はどこに繋がってるんですか?」


 部屋は廊下と繋がる出入り口と左右の壁……そして、奥は襖で仕切られていた。


「あれは露台に続いてるの。襖を開けると長い廊下で各部屋が繋がっていて、その向こうには一面硝子で作られた露台があるのよ」


 きっと外から見えた、客の呼び込みをしていた女性がいたところだろう。


「ちょっとだけ覗いてみてもいいですか?」


 上目遣いに颯天が訊くと、翠嵐は「少しだけよ」と許可をくれた。


「おねえちゃん、一緒に行こう!」


 手を引かれ、襖を抜けて一緒に露台からひょこりと外を見る。

 前を歩く男たちは依然として多い。あまり目立たないようにとこそこそしていると、不意に颯天が耳打ちをしてきた。


「あの青い妓楼の店、玄関口に立ってる男が昨晩俺らを襲ってきた奴だ」

「えっ――!?」


 小声で驚き、バッと目を向ける。『比翼連理』の看板の下――立派な玄関口の脇に立つ男はたしかに体格も良く特徴があのまとめ役の男と一致する。

 なにより、彼の頬には細く長い切り傷があった。そう。昨夜颯天がつけた暗器の傷だ。


「まさかこんな真正面の店を選んでたの!?」

「ここなら店も良心的だし、同じ価格帯、客層……なにより楼主同士が互いを意識してるから情報が入りやすいと思ったんだよ」


 器用に小声で詰め寄る燈霞を颯天は冷静に取りなした。顔をつきあわせてこそこそと話す少女二人を、翠嵐は微笑ましそうに離れた所で見ている。

 そんな翠嵐のもとに、とことこと颯天が駆け戻った。


「向かいの青いお店もずいぶん大きいんですね。ほかのお店の人と会ったこととかありますか?」

「ああ、比翼のことね。あまり外には出ないからよそのお店の女の子に会うことは滅多にないわよ」


 でも、と翠嵐がつけ加える。


「風蓮が移動したのがあの比翼なのよ」

「あ、さっき話してた?」


 燈霞が言えばこくりと頷き返された。


「今は違う名前――たしか風嵐だったかしら……でやってるみたいだけれど、あの子が入ってから比翼が前にも増して売り上げを伸ばしててね……うちの旦那さんなんか急に突き放されたもんだから悔しい思いをしてるみたい」

「へえ……」


 そういえばさっきの妓女たちも、楼主が比翼に追いつくために張り切っている――なんて発言があったことを思い出した。


「風蓮さんてそんなに綺麗な人だったんですか?」

「たしかに綺麗な子だったわ。でも内気な子で、あんまり男の人と話すのが上手じゃなくて……うちにいるときはそんなに人気の子じゃなかったのよ」


 だが、比翼に入ってからの聞く風蓮あらため風嵐の噂はずいぶん様子が違うらしい。


「なんでもあの子と個室を取ると占いをしてくれるんですって。しかもそれがもう当たるとかなんとか言って……とくに商人のひとに人気みたい。事業のことで占いをしてもらってるんだって」

(占いか……)


 なんとも胡散臭いものだと思った。

 『占術』というもの存在はする。だが、それは手順や学びを得れば誰でも出来る法術とは違い、生まれながらの才が必要だ。占術を専門とする家系は決まっていて、まさかそんな一族の娘が妓女になっているとも思えない。

 ならば、よくある嘘っぱちというやつだろう。

 道具や手法さえ押さえてしまえばそれらしいことはいくらでも出来るのだ。風嵐は自分ならではの強みを作って客を取っているようである。しかし、そんな嘘っぱちに果たしてそこまでお金が落ちてくるかと言えば疑問だ。


「やだ、私ったら話しすぎちゃったわね。場所を移しましょう」


 我に返った翠嵐の案内に従い、二人は階段を下りてまた店のほうに向かった。客室や宴会場は客が入っているので後日時間を作って見せてくれるという。


「基本的にお客様と私たち妓女は一対一で仕事をしているわ。見習いの子が一緒に席についたり、お客さんが団体で大広間を貸し切ったりすると少し変わってくるけど……」


 入ったばかりの新入りは先輩妓女について回って酒や食事が上手く回るように補佐するだけだという。ざっくりとした説明だけで、翠嵐はそのときになったら詳しく覚えればいいわと言ってくれた。なにごとも実地が一番なのだ。

 それにそんなに長居をするつもりもないので、あまり熱心に覚えようという気にはならない。


「個室は大体六畳ぐらいかしら。布団とか小さな卓があるぐらいでどの部屋もほとんど変わらないわ」


 大部屋や広間などが正面玄関から近い一階、二階にあり、より客個人への配慮が必要な個室は三階以上にあるそうだ。

 客室のほうの棟は階段を上らず、翠嵐はそのまま向きを変えて庭園のほうに出た。鮮やかに整えられた庭園はそれはまあ広大で、何棟もの別館がある。

 それらは庭路で本館と繋がっていた。

 綺麗に整備された庭路を歩きながら翠嵐が二人を振り返る。


「個室よりも自由に過ごせるのが別館なの。そして、一番奥にある別館は今年新しく建てたばかりの目玉でね」


 奥の一角は人の背丈のほどの竹垣で区切られていた。

 中の人影などは分からないが、それでも翠嵐の言う『鴛鴦』の目玉だという建物は竹垣の向こうに大きくそびえていた。

 それは三階ほどの高さであって、広さはあまりないようだった。妓女たちの部屋が四部屋も入れば十分なものだ。そんなに小さな個室にしているわけもないから、もしかしたら中は階ごとに一部屋ずつしかないのかもしれない。

 しかしこれでも頑張ったほうなのだろう、と目の当たりにした燈霞は思う。

 そもそも一軒建つだけの資材が集まる方が稀有なのだから。

 わあ、と思わず感嘆の声を上げて立ち止まる。颯天もはっと息を飲んでいた。


「これ、まさか白木(はくぼく)材で作ってあるんですか?」

「ええそうよ。値はずいぶん張ったらしいけど……その分旦那さんの自慢なのよ」


 白木材――その名の通り真っ白な木材のことである。それで作られたという別館も、それはもう夜空の下でも清廉とした雰囲気を醸し出すほど真っ白だ。

 意図的に下から当てた照明のおかげもあって、眩しいほどにくっきり白い建物が浮かび上がっている。

 真っ赤な柱や派手派手しい華美な本館とはまた違った雰囲気の派手さだ。

 ここだけほかの建物と離れているのは、この別館自体が特別だということもあるが、ここに入れる客はよほど金を積んだ商人や貴族だけなのだという。だからこそ、ほかの喧噪からは離れたところに置かれているのだ。


「さすがにここは別だけど、ほかの別館は面倒な質で、でも断り切れないお客さんを隔離する意味でも使うのよ。用心棒に引っ張り出されるところなんて、ほかのお客さんたちには見せられないでしょう?」

「まあ、たしかにそうですね」


 言いながらもう一度白木の建物を見た。はっとため息が漏れるほど美しく、これは乱獲されるのも分かるものだと妙に納得してしまった。

 すごいね、なんて気軽に感想を言い合おうとして、そこで初めて颯天の手が震えていることに気づいた。


「……颯天?」


 漏れた声は、小さすぎて翠嵐にも颯天にも届かなかったようだ。

 颯天の鮮やかな金の虹彩が萎縮したように小さくなっている。なにか大きな感情を耐えるように、瞳が細かく震えていた。


「――」


 音もなく、彼の唇がなにかを紡ぐ。短い言葉は、なにかの名前のようだった。

 真っ青な横顔が可哀想で、震える腕にそろそろと手を伸ばす。

 二人の――颯天の異様な空気に気づかず、翠嵐は白木をきらきらした目で見つめながら言った。


「旦那さんの懇意にしてる商人の方いわく、手つかずの群生地を見つけたって話よ」

「――そんなことあるわけないだろ!」


 暗闇を切り裂くような激しい怒声だった。

 びくりと肩を跳ねて二人の視線が声の主――颯天に集まった。



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