あたしの愛
ひっかかれても知りません。
猫のおひげを たばにして
きゅっとつまんでやったら そのまま
はなのほうにかるくおしこんでやると
猫はそれにあわせて ほっぺがひきつるみたいな
ゆがませた表情をみせる
ゆがませた側の目を細めて
ちょっとシニカルに笑うよう
それがあまりに可愛くて
あたしは猫のおひげを たまにおしこんでやる
たぶん 嫌がってるよ?
少なくとも 喜びはしてないよね?
それでも あいての喜ぶことだけ
相手のためになることだけをしてやるのが
愛でもないんだって あたしはそう思う
もちろん あいてを傷つけない範囲でだけど
こちらの欲望につきあわせてやるのも愛なのだ
そのかわり おなじようにあいての欲望にも
こちらのゆるす範囲でだけど
つきあってやらなきゃ フェアじゃないでしょ?
だから そっちも遠慮せずにわがまましてもいいんだよ
それをちゃんと理解してもらうために
あたしはまず
あたしの欲望にあいてをつきあわせてやる
それがあたしの愛だ!
わかったら こんどはそっちの番
うけとめてあげるから どんとおいで♡
猫には迷惑かも。