第1話:能力
なんか主人公の説明がかなり不足してますがその内話の中で説明します・・・
光が治まると俺は何処かの街の大通りらしき場所に立っていた。大勢の人が買い物をしたり、話しをしたりとかなり賑わっている。
ピピッーーー!!!!
しかしそれをぶち壊すような耳障りな笛の音が背後の方から聞こえてきた。
「コラッ!!そこの少年っ!!」
全く、誰を呼んでいるのやら。俺はとりあえずこの世界について調べるため歩きだす。が、
「おいっ!!何処に行こうとしてるんだ!」
後ろからそんな声を聞くと同時に俺の肩が何者かに掴まれた。
振り返ってその相手を確認すると。そこには、西洋の甲冑を着た人が俺を睨み付けていた。
「おい、お前。街にムーヴするのは何処の国も禁止されている事位知ってるだろ!!」
ムーヴ??なんだそれ??俺が考えていると甲冑の人、面倒だから甲冑が俺が無視をしていると思い込んだらしく、
「ちっ!これだから最近の若者はっ!こっちにこいっ!」
俺は一言も発することなく腕を引っ張られて少し離れた駐在所らしき所に連れてかれた。
そして甲冑と対面する形で机を挟んで椅子に座らせられている。
「で、君の名前は?何処から来た?その前に言葉は通じるか?」
「・・・僕の名前は神宮寺 彬・・・です。・・・何処から来たのかは分かりません・・・」
どうせ信じないだろうから出身場所は伏せておく。
「分からないだぁ?お前っ!人を舐めてんのかっ!!大体なんだその髪の毛はっ!黒色になんか染めやがって!」
甲冑は怒鳴り散らしてくる。
ちっ、うるせぇ奴だなぁ!この色は元からだ!
「いえっ、これは地毛・・・なんですが・・・」
「そんな訳あるかっ!この世に地毛が黒なんて奴はいねぇ!」
そうか、ここは異世界だったんだっけな・・・。
もう甲冑に話す事も無いし、俺の特徴を紹介するか。まず髪の色は先程言っていた通り黒で目の色は・・・一応黒色だ。年齢は18歳、身長は170で体重は60だっけ。で、見た目は悪くないと思うけど雰囲気は・・・暗いかな。そして、俺の元の世界に居られなくなった原因である能力は・・・
キャーー!!
とっ、盗賊だぁぁあああーー!!!
「何っ!!もう来たかっ!!」
えっ?何?盗賊?もう来た?皆何言ってんだ?
「くそっ!お前!緊急事態だ。釈放してやるから逃げろ!」
帰っていいの?まぁ帰る所なんて無いんだけど・・・
「くそっ!警備は一体何やってたんだ!まぁ、今はそんな事はどうでもいい。装備が整ったやつから三人一組で盗賊の迎撃にいけ!」
「「「はい!」」」
さっき間で俺の相手をしていた甲冑が仕切っている。
「今日中に王都から騎士団が来る筈だ!今日だけ耐えろ!!」
そう言いながら甲冑は駐在所から出て行き、他の甲冑もそれに続いて出て行った。
現在駐在所には、ポツンと残された、俺だけがいる。
とりあえず、釈放された見たいだから外に出るか。
「・・・何?」
外に出るとそこは乱戦と言える程ごちゃごちゃしながら甲冑と盗賊?が戦っていた。数は盗賊50、甲冑20ってところだろうか。
さすがに甲冑が数で押し負けている。
「くそっ!毎度毎度いい加減にしやがれ!!」
甲冑から聞こえてくる声を聞くからに盗賊は良く来る見たいだな。
そんな風に呑気に考えてていると、視界に一人の男の子たぶん十歳位が乱戦から逃げようと走っているのが目に入った。
男の子は必死に走っているが、盗賊からは逃げきれないようだ。
「オイ!坊主どこ行こうとしてるんだ?ゲヒャヒャヒャ!」
盗賊は奇声のような笑い声で男の子を追いかけ剣を振り上げた。
男の子はもう駄目だと思い目を瞑って手で頭を守る体勢をとった。
「ちっ・・・」
俺は舌打ちをしつつその盗賊に手をかざし、
「・・・燃えろ」
俺の声と供に盗賊の服が発火し、
「えっ?うっ、うぁ!熱い熱い止め、うぁぁあああーーー!!!」
断末魔の声を上げて黒焦げに成り地に倒れた。
その一部始終を見ていた仲間の盗賊が俺に指をさし、
「アイツだ!アイツが手をかざしたら燃えやがった!アイツは魔術師だ!先に殺っちまえ!」
その声と同時に十もの目が此方に向き、盗賊達は武器を構えて走って来る。
「・・・・・」
俺は無言で向かって来る盗賊達に両手をかざした。
すると盗賊達が空中10メートルほど浮いた。
「えっ?えっ?何だ?」
盗賊達は何が起こっているのか理解できない様子だ。
そして俺はかざした手を握った。
ぐちゃ
それと供に盗賊と甲冑達に血の雨が降り注いだ。
盗賊達も甲冑達も何が起こったのか理解できない。だが盗賊達の顔は段々青くなって一人二人と逃げ出す、次第に全員が武器を捨てて逃げ出す。
俺は呆れた様子で周りを見渡すと老若男女構わず死体が転がっている。
「ちっ!・・・待てよ・・・何逃げようとしてんだ?」
俺は完全にキレてしまった見たいだ。
逃げている盗賊に片手をかざして握る。
さっきとは違い今度は盗賊達全員の足が潰れた。無くなったと言っても良いほど跡形もなく。
しかし盗賊達は未だに逃げようと手でもがく。
俺も相当キテるようだ。再び手を握る。今度は手を潰した。もう盗賊達は動く事ができずに次第に死んでいった。