ある小学校の図工の時間
”お手洗い、行きたいよぅ…。”
さやかは、もじもじしながら絵の具で色塗りを続けていた。
”休み時間に行っておけば良かった。”
図工の時間は、2時間連続で色塗りをしていて、担任の先生は休み時間の合図をしたのだが、さやかは色塗りに夢中になっていて、気がついたときにはチャイムが鳴っていた。
さっきから何度も時計を見ているのだが、時計の針はなかなか進まない。
”あっ、はみ出しちゃった。”
色塗りにもなかなか集中できず、左手は時々足の間にいってしまう。
「終わった人は、絵の具を片付けてくださいね。」
先生の声が教室に響くと、色塗りを仕上げた子が次々と絵の具を片付けにいった。さやかはあと半分くらい残っていた。
”早く終わらせて、お手洗いに行かないと…。”
さやかは急いで終わらせようとしたのだが、丁寧に塗りたいという気持ちと、おしっこが気になって集中できないこともあって、思うように進まなかった。
途中で何度か足を組んだり、座ったまま足踏みをしたり、足の間に手を挟んだりした。
20分くらいして、あと少しというところまで進んだのだが、おしっこの我慢もそろそろ限界に近づいていた。
左手でおしっこの出口を押さえていないと、気を緩めれば勝手に出てきてしまいそうだった。
”早く、早く…。もれちゃうよぉ…。”
最後の一カ所の色塗りが終わって、やっと完成したのだが、さやかはすぐに立てなかった。急いで立つと、その勢いで出てしまいそうだった。
”ゆっくり立たないと…。先にお手洗いに行ってもいいのかなぁ…。片付けを先にしないといけないかなぁ…。”
ちらっと先生の方を見ると、他の子に声をかけていて、さやかに気づく様子はなかった。
”できたら、絵の具の片付けって言ってたしなぁ…。”
さやかは、ゆっくりと立ち上がって、パレットと筆を持って廊下に出た。おしっこがあふれないように、ゆっくりと廊下を歩いて、トイレの手洗い場までやってきた。クラスの他の子は、もう洗い終わったようで、手洗い場にはさやかしかいなかった。
”早く片付けて、お手洗いに…。”
蛇口をひねって水を出すと、その水に誘われるように尿意が増し、さやかは思わず何度も足踏みをしてしまった。パレットを洗うときに、水が手にかかると、さらに尿意が増し、おしっこがもれそうになった。足踏みをしながら、腰をふって、時々おしっこの出口をぎゅっとおさえながら、さやかはパレットを洗っていた。
その時、突然、ふわっと下半身が軽くなって、浮いたような感じになった。
”えっ…あっ…。”
シュ…シュル…シュルル…
お腹の辺りが勝手にへこみ、おしっこがパンツの中に流れてきた。
シューーーーー
あわててパレットを置いて、両手でおさえたのだが、あふれたおしっこは押さえている手をぬらして、足下に水たまりを広げていった。足を伝ったおしっこも、靴下や上靴をぬらして床に広がっていった。
さやかは、両手で前を押さえたまま、うつむいて足下の水たまりが広がっていくのを見つめていた。
全てを出し終わっても、しばらく立ちつくしていた。
”どうしよう。。。おしっこ出ちゃった。。。”
さやかは、泣きそうな顔で、パレットを持って、教室にゆっくりと戻っていった。