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有休

作者:

 午後の日差しが窓から差し込むオフィスの昼下がり。

 課長の机に向かう人の気配がデスクの群れを抜けていった。

「課長、来週の火曜日に有休を使いたいんですが」

 書類から顔を上げると、机を挟んだ向こうでは若々しい声と皺の無いスーツを着ている若者がこちらをまっすぐに見つめていた。最近入ったのだろうか、見慣れない顔だった。

「別に構わないが、一応理由を聞かせてくれるか?」

「はい、実は葬式が急遽決まりまして・・・」

 若者の表情に陰りが見えた。気のせいか顔色が悪い。

「そうか、親族の方でも亡くなったのか?」

「えぇまぁ」

 どうにも応えの歯切れが悪い。

「というのも、自分の葬式なんですよね・・・」

 と若者がつっかえでも取れたように言うとバツの悪そうに笑って見せた。

 その笑顔には見覚えがあった。新卒で入った、度を超すほど真面目な新人だ。

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