担任は嫌な人
初めて投稿させていただきます。
『雨あがり 少し寂しい 晴れの朝』
「先生、どうですか?」
期待する眼差しでリスの少年、マロンは尋ねた。
するとメガネをかけた背の高いリスの教師クリーチャーは鼻で笑い、呆れ顔で言い放った。
「ゴミのゴミのゴミ。雨とか朝とか、ありきたりな俳句では賞は取れないぞ。さっさと席につけ。」
マロンはがっくり肩を落として席に向かった。
「リドの森」には多くのリス達が暮らしている。
その北側には「ドングリ学園」という学校があり、6才〜13才までのリスの子供達が通っている。
今年で4年生になった「マロン・スター」は賢く、勤勉な生徒だ。正義感が強く、何事にも一生懸命に取り組む彼は先生にも学友にも好かれていた。
しかし今年この学園に来た、担任の「クリーチャー・グリーグ」は特にマロンのことが気に入らないらしい。
彼は非常に手厳しく、冷酷な教師だ。生徒だけでなく学校の先生たちもみんな彼に怯えて機嫌を取っている。メガネの奥から鋭く冷酷な眼光はいつも生徒たちを捉えて、どんなにずる賢い子供の誤魔化しも見抜いた。
いつも彼に否定され続けているマロンはついこの前まで楽しかったはずの学校がとてもつまらなく感じている。
マロンが席に着くとある少女が先生のところにやってきた。少女は自信たっぷりに俳句を詠んだ。
「街中で 遊び放題 怒られる」
「こちらはいかがですか、先生?」
そういうと少女は大人げにウインクをした。
先生は一瞬にやりといやらしい目つきをしたあと、興奮した様子で答えた。
「すばらしい!!すばらしいじゃないか!!!とても面白い俳句だ!!!お前たち、今回はスリルの俳句を提出する!みんなも見習うといい!!」
「ありがとうございます。」
少女ははニッコリと笑い、席に戻ろうとするとクラスメイト達がわらわらと彼女に集まる。
「スリル、すごいわね!」
「本当に良くできるね」
「ぼくなんかそんなのつくれっこないよ」
「ねえねえ、わたしにもコツ教えて!」
彼女は「スリル・グリン」
今年学園に転入してきた。美人で身長が高く、年齢の割に大人びており、すぐに学園に馴染んだ。成績も学年でナンバーワン。今ではみんなの人気者だ。
スリルはみんなに囲まれるなかマロンの方を見て、まるで羨ましいでしょというかのようにニコリと笑った。
(なんだよ‥。)
マロンはムカつく気持ちを抑えていた。
授業の終わりのチャイムが鳴る。
生徒たちは席につき、姿勢を正す。
先生は一同にこう言った。
「いいか、俳句はスリルのを提出する。もっと勉強しろ。」
そういうとマロンの方をを睨みつけて教室を出て行った。
ノートに書いた俳句を見て、マロンは虚しさと理不尽さを覚えた。何も悪いことはしていない。いつもやっていたようにちゃんと学校に通い、挨拶も毎回している。それでも先生が返してくれたことは一度もなかった。宿題も毎日忘れずにやって、授業中も先生の話しをよく聞いて、メモをしっかりとって、自分から進んで手をあげるが、当ててもらったことは一度もない。
今までよく話していたクラスメイト達はスリルが転入してから、自分から話しかけても相手にしてくれなくなった。スリルはその状況を分かっていてマロンの不満げな顔を見て楽しんでいるのだ。
学校に自分の存在が無くなってしまったかのようだ。なにをやってもどれだけ努力しても空回りしている。そんな状態がとても歯痒くて、辛かった。
続く




