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私が急に不適ににたついたせいで紗良が一歩距離を置いていた。止めて、マジな感じで引くの止めて。なかなかメンタルに来るから。顔が引きつってるなんてレベルじゃなくなってるよ。私が言うのも何だが相当不細工になれてていらっしゃる。人間ガチ引きするとそんな顔になるのかと一人納得をし、ふと教室の時計に目をやる。もう四時を回っていた。
帰ろう。私には、今の、私にはやることが...違うか、やりたいことができてしまった。
「紗良、私、帰る!」
一言ずつ力強く言い放ち勢いよく先から立ち上がる。紗良は相変わらずぽかんとしてらっしゃる。今なら遊びに連れ回されずに帰宅できるのでは。
だーっと教室の前扉から飛び出すようにして一目散に出ていく。